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ザ・スーパー・ポップ宣言

ギターポップ4

ギターポップ推薦曲(4)


小沢健二/FLIPPER'S GUITAR元ネタリスト

フリッパーズ・ギター/小沢健二 元ネタリスト曲別

フリッパーズ・ギター/小沢健二 元ネタ推薦曲

ギターポップ推薦曲(1) (2) (3) (4)

ネオアココンピの世界

ネオアコ/ギターポップ映像の世界


【 もうすぐランクイン 】

Cleaners From Venus / A MERCURY GIRL '87 「Going To England」



1980年代に活躍したイギリスのギターポップ・ユニット、クリーナーズ・フロム・ヴィーナスの1987年のアルバム「Going To England」収録曲。元々は1986年のアルバム「LIVING WITH VICTORIA GREY」に収録されていたものだけれど、いまいちチープなアレンジだったからか翌年に作り直した感じですね。グループ名が「金星の掃除屋」で曲名が「水星の少女」ってことで何やら宇宙的ロマンを感じさせますが曲はシンプルで落ち着いた淡々としたバラード。派手さはないけどソロでも活躍したMartin Newellによるメロディは魅力的で秀逸です。そして何と言っても特筆すべきは間奏で聴けるピアノの綺麗な音色。甘く悲しげな美しい旋律を高らかに奏でます。ここの部分は少しウォール・オブ・サウンド的雰囲気があるので、本格的音壁として作り替えたらどうなるだろう?と思わず夢想してしまいますね。上品で知的で控えめな雰囲気ってことでセーラーマーキュリーのテーマソングとして推奨します。

「YOU TUBE」で聴けます。

Brian / It Never Crossed Your Mind 「Understand」'92



ダブリン生まれでロンドンで活動していたというブライアン。90年代に2枚のアルバムを残していて、これは彼の1stアルバム「Understand」収録曲。ブライアンというと日本人にも馴染みのあるありふれた名前だけど、Ken Sweeneyというシンガーソングライターのソロプロジェクトの模様。小山田圭吾のCORNELIUSみたいなもんですね。アコースティックギターに打ち込みドラムという質素な構成ながらも繊細ながらも煌びやかなアコギの音色が印象的。曲全体としては冷静で落ち着いた淡泊なものでサラレコードのような内省的な雰囲気が強く、そこに好感が持てます。メロディも派手さはないけれど良質でなかなか心に染み入ります。打ち込みドラムによりポップな仕上がりとなったけど、ドラムなしのより簡素な内容を聴いてみたいかも、とふと頭によぎりました。

「YOU TUBE」で聴けます。

THE SILENT LOVE / SARAH '00 「DECADE」収録



Funny Little Dreamというデュオでも活躍しているインドネシアのジャカルタの歌手Ganesha Mahendra Nurdinのバンドが2000年に発表したアルバム「DECADE」収録曲。「YOU TUBE」での再生数もかなり少なく、個人的に一体どういう経緯でこんなマイナー曲を知ったのか全く覚えがないんだけど、なかなかの良曲です。ジャカルタといえば以前ジャカルタの煌めきギターポップ MONTE CARLO / I KNEW IT 「SUMMER IN VIENA」も取り上げてますが、密かにネオアコ/ギターポップ系の良質な発信地になっているのかも。「YOU TUBE」の説明文に「The Field Mice」にインスパイアされたとの記述があることから、曲名のサラという女性名もSarah Recordsから拝借したものなのかも知れませんね。そんな訳で曲も体温低い FIELD MICE / IF YOU NEED SOMEONE 「Where'd You Learn to Kiss That Way?」辺りを彷彿させるような繊細で思慮深さを感じさせる良質なギターポップ。悲しげで内省的な雰囲気のバラードだけどメロディラインは美しくヴォーカルも甘みがあって良い。バンド名にサイレントと入ってるけど全体に感じさせる出しゃばらず謙虚な雰囲気に好感が持てるのです。

「YOU TUBE」で聴けます。

ORANGE JUICE / CONSOLATION PRIZE '82 「YOU CAN'T HIDE YOUR LOVE FOREVER」



史上初のネオアコ・アルバムであるORANGE JUICEの「YOU CAN'T HIDE YOUR LOVE FOREVER」は、当ブログでも既に何曲も取り上げている名盤中の名盤ですが、「FALLING AND LAUGHING」、「TENDER OBJECT」、「DYING DAY」といった傑作以外にも彼ららしい良曲はまだまだ有ります。残念賞というタイトルの本曲も彼らの持つ弱弱しさや痛みを感じさせる内容。明るめで和める雰囲気の曲調で上記3曲より痛みは大部和らいでいるけど本質は同じかと。サウンド的にはエンディングで突如アップテンポに攻めに転じる姿勢が素晴らしい。ここで「I'LL NEVER BE MAN ENOUGH FOR YOU」と繰り返しながら曲は終わるんだけど、何とも物悲しい彼ららしい表現だなと思いますね。

因みに二匹のイルカが飛び跳ねる爽やかで瑞々しいジャケで有名なアルバムでもあるけど、ダブルジャケット盤の見開の小松崎茂氏による「イルカがせめてきたぞっ」の絵ではその二匹が一転して攻めに転じており、イルカの持つ凶暴な一面が垣間見えて味わい深い。

「YOU TUBE」で聴けます。

Fat Tulips / Clumsy 「Starfish」'94



94年にVINYL JAPANからCDアルバムを発表しているイギリスの4人組グループの唯一のアルバム「Starfish」収録曲。女性リードのこの曲は往年のフレンズアゲインを思わせる煌びやかで賑やかなギターが特徴的。明るくスピード感のあるギターポップにのって女性ヴォーカルが淡白に歌いますが、サウンドの華やかさに比べてヴォーカルに華がなく表現力も乏しいのが惜しい。1分47秒と短いのもチト切ないね。

「YOU TUBE」で聴けます。

DREAM BOYS / BORN YESTERDAY '13 「DREAM BOYS」



何故音源が自分の手元にあるのかよく分からないことがあるがこの曲もそんな内の一つ。検索してみるとどうやら最近のロサンゼルスのギターポップバンドらしい。2013年産ということで当ブログにしてはかなり目新しい音だけど、サウンド自体は古き良きネオアコの時代を感じさせてなかなか良い。特にギターの煌びやかな音色はFRIENDS AGAINを彷彿させます。メロディも曲を通して高水準で、タイトル部分の入るサビが特にいい感じ。ただヴォーカルがちょっと暗くいまいち魅力不足だったからなのか、本アルバム以降は作品を残せなかったのが残念。こうして時折80年代初期ネオアコの灯火がポツリポツリと現代に甦るのもまた一興ですね。

「YOU TUBE」で聴けます。

SISTER RAIN / BURT REYNOLDS (Serene RAIN 0001)'88



1980年代後半に自主製作っぽい2枚のシングルを残して消えてしまったマンチェスター出身のインディー・ギターポップ。マニアックなコンピ「The Sound Of Leamington Spa VOL.1」収録曲。シスター・レインがバンド名でバート・レイノルズが曲名なのでややこしい。バート・レイノルズは1960年代中期から1980年代まで活躍したアメリカの大物俳優だけど、何故曲のタイトルになっているのかは全く不明。そして曲も全くバート・レイノルズを彷彿させることのない如何にもイギリスのインディーなギターポップという感じなのですが。しっとりとした繊細な音色のギターで始まるウオーキング・テンポのこの曲はサビの込み上げるような甘く切ないメロディが特徴的。ヴォーカルの声質も若者っぽく瑞々しいのでサビが実に魅力的です。あまり似てないけど魅力度という点ではフリッパーズギター時代の小山田圭吾くんに近いかも。インストっぽいパートではスキャットなども入りネオアコ風に盛り上がります。残念ながら「YOU TUBE」などに音源はないようです。

JOHNNY SAYS YEAH! / I WON'T LET YOU GO '87



1986年と87年にインディーのDay I Ate The World Recordsから2枚のシングルを残しているギターポップバンドのシングル曲。恐らくはバンド名を略したと思われるレコード番号(JSY)やチープなイラストなどから相当マイナーな存在だったと思われます。所謂自主製作ものですかねえ。曲はカントリー調のリズムが和めるギターポップ。メロディは少し哀し気だけど薄っすらと陽の光が射している温かい感じはあります。インディーということで、かなり手作り感というか素朴な雰囲気がありますが、そこがいい味になってる気がします。もう少し甘酸っぱさやヒリヒリ感、メロディのトキメキ感があれば良かったかな。

「YOU TUBE」で聴けます。

Sweetest Ache / If I Could Shine (Sarah Records)'90



90年代初頭の短い期間に活躍したウェールズのバンドのギターポップで、マイナーながらも良質な曲を連発したイギリスのサラレコードからのシングル曲。Sarah Recordsの音の大きな特徴の一つに品の良さと思慮深さを感じるのだけれども、これはその好例の一つ。ゆったりとした曲調で和める雰囲気だけどノイジーなギターサウンドは聴く人を選んでしまうかも。そのギターにかき消さるかのようにヴォーカルは奥の方で控えめに歌うスタイルで、これは所謂シューゲイザーと呼ばれるサウンドの典型なのかも。ただメロディは極めて甘くなだらかで聴きやすい。恐らくノイジーなアレンジにしなくても名曲になり得たのではないかと推測。そういう別バージョンがあれば聴いてみたいですね。僅か数年の活動で幕をおろしてしまったバンドだけど、曲調と相まって切ない気持ちになってしまいます。

「YOU TUBE」で聴けます。

Faith Brothers / Fulham Court '85



80年代中期にアルバム2枚を残したイギリスのネオアコ系グループの85年のシングル「A Stranger On Home Ground」のB面曲。「Fulham」というのはフルハム三浦のフルハムではなく「フラム」と読み、どうやらロンドンの同地区にある建造物か何かを指した歌のようです。曲はゆったりとした情緒的なバラード。バンド名からは彼らの忠誠的な人柄が伝わってきそうですが、そんな彼らの印象を彷彿させるかのような実直で誠実なイメージの曲。全体を通して甘いメロディラインは出来が良く、心が洗われる感じがありますね。一番の聴き所は間奏で聴けるピアノの軽やかで切ない響き。これ、もう少しウォール・オブ・サウンド風に仕上げてくれてたらどうだったろう?と夢想してしまいます。

「YOU TUBE」で聴けます。

FARMER'S BOYS / THE WAY YOU MADE ME CRY '83 「Get Out and Walk」



81年前半に2枚のアルバムを残したギターポップ系バンドの1STアルバム「Get Out and Walk」収録曲。バンド名は農家の少年達という意味だろうか、イギリスのNorwichという市の出身のようなので田舎の素朴な雰囲気を出したかったのかも。曲はやはり泥臭くいまいち垢抜けないギターポップ。ちょっと痛みを感じさせるヴォーカルだけどメロディは明るめで牧歌的な感じ。テンポは速くて良いのだけれど、全体としていまいちキャッチーさに欠けるかな。聴き所は間奏のギターソロで初期ビートルズを彷彿させる感じが良い。ACT NATURALLY辺りを狙いましたかねー。同時期のアズテックカメラやフレンズアゲインのような洗練された煌きは感じさせないけれど古き良き時代のマージービートっぽくて思わずほっこりしてしまいます。

「YOU TUBE」で聴けます。

小沢健二 / 強い気持ち・強い愛 '95 作曲筒美京平 編曲小沢健二/筒美京平 管弦編曲服部隆之 「小沢健二=筒美京平ソング・ブック」



元フリッパーズギターの小沢健二のソロシングルで「小沢健二=筒美京平ソング・ブック」収録曲。副題的にMetropolitan Love Affairと英訳が添えられている。歌謡曲の大御所筒美京平とのコラボということで当時は意外な組み合わせだなと思いながらも興味深く聴いた。曲は70年代フィラデルフィア・ソウル~80年代サルソウル辺りを継承したディスコ風ミュージック。筒美京平製作のヒット曲、平山三紀 / 熟れた果実辺りの雰囲気を加味し、より踊れて豪華なサウンドを意識した感じ。ひたすら高揚感のあるテンションの高いサビは筒美京平らしさの出たなかなかの出来だけど、ちょっと意識高い系な歌詞、曲の長さとあいまって聴いてて疲れる感じは有る。当然ですがネオアコ的な要素は全く無いですね。元ネタ的には、「LOLEATTA HOLLOWAY / DREAMIN'」、「MFSB / SEXY」、「GARY TOM'S EMPIRE / 7-6-5-4-3-2-1」などが挙げられます。

先日筒美京平氏が亡くなられて、コラボした小沢健二氏本人がツイッターでこの曲と筒美京平氏との思い出を語っているんだけど、これがなかなか興味深い。なかでも以下の部分が印象的。

・2曲あわせて3000万円以上を自費で払った
・スタジオ時間は2曲で600時間
・筒美京平がスタジオに来たのはそのうち1時間だけ
・ガラージ/ディスコ調の曲をやろうとLOLEATTA HOLLOWAY、グレイスジョーンズ等を二人で聴いた
・強い気持ち・強い愛はパラダイス・ガラージ(NYのクラブ)

小沢くんが抜粋・引用をしないでくださいと言ってるので、下記から全文をお読みくださいね。
https://twitter.com/iamOzawaKenji/status/1327820588539232259

なお、『強い気持ち・強い愛 (1995 DAT Mix)』という新アレンジがアマゾンなどで配信されています。

「YOU TUBE」で聴けます。

テレビ・スタジオライブでも東京スカパラダイスオーケストラにストリングスを加えた豪華なバックで演奏しています。

SWEETEST ACHE / CLIMBING '91 「JAGUAR」(SARAH 608)



90年代初頭に活躍したウェールズのバンドがサラレーベルから出したアルバム「JAGUAR」収録曲。6分を超えるミディアムテンポの曲で、語りなども入る大作志向の曲。ちょっと暗めの曲だけどサウンドは明るく煌く王道ギターポップという感じ。神経質そうな憂いを帯びたヴォーカルがなかなかいい味を出していて、メロディの良さとも相まってなかなかの雰囲気。一体何を歌ってるのか不明だけど、特に後半のサビの繰り返しでの解脱したかのような吹っ切れた高揚感ある歌い回しは聴き所。

「YOU TUBE」で聴けます。


ACID HOUSE KINGS / 7 DAYS 「Sing Along With Acid House Kings」'05



1992年から活躍しているスウエーデンのポップグループの4枚目のアルバム収録曲。彼らには既に紹介済みのハリーラブな「KEEP YOUR LOVE」という名曲も有ります。曲は女性がリードヴォーカルを取るミディアムテンポの甘めのラブソング。聴き所はイントロやサビで聴けるウーウーコーラス。情感を込めて盛り上がる一瞬の甘いときめきはなかなかのもの。メロディの出来も良く、全体として感じられる青春時代の甘酸っぱい感覚は流石のセンス。

「YOU TUBE」で聴けます。(PVも有るけどイメージダウンなので非推奨)

Barbel / House By The Airport '89 「ONE HORSE PLANET」



イギリスの女性一人を含むマイナーなバンドの89年のミニアルバム「ONE HORSE PLANET」収録曲。検索しても日本人の文章が全く出てこないんだけど「一匹の馬だけの惑星」という不思議な雰囲気のタイトルとジャケは好みのタイプ。曲は適度にスピード感のあるネオアコ系ギターポップ。元気なサウンドの割にヴォーカルは弱弱しく病んでいる感じにすら受け取れる。然しながら良く出来た憂いを帯びた思慮深そうなメロディにはマッチしてる感じでなかなか趣きがある。もっと明るく溌剌としたヴォーカルだとどうだっただろうとも思うけど。LEGGO DUBのOssie Hibbert / Bubble Up Styleの憂いを帯びた郷愁を誘う感じに雰囲気が似てますね。

「YOU TUBE」で聴けます。視聴数108回って・・・。

JIMMY JIMMY / I MET HER IN PARIS '85



EPICが第二のWHAM!を狙って売り出したらしいけど残念ながらアルバム一枚で解散してしまった男性デュオのシングル曲。FLIPPER'S GUITARもラジオでオンエアしたらしい。曲は心温まるメロディが特徴的な80年代ポップ。サウンド的に際立った箇所は無いけれども、全体を通して聴ける完成度の高い情感深いメロディが素晴らしい。純朴な香り漂う曲調は多くの人が好感を持ちそう。終盤に入る高揚感のあるスキャットは如何にもパーフリが好きそうなネオアコ要素という感じ。

「YOU TUBE」で聴けます。

ACID HOUSE KINGS / KEEP YOUR LOVE '05 「DO WHAT YOU WANNA DO」収録



スウェーデン出身のネオアコ系4人組バンドの2005年製「恋はあせらず」トラック。同じくスウェーデンの最近のバンドLOVENINJASの曲のカバー。曲調は全く異なるけどタンバリンから始まりギターとベースでハリーラブを奏でる形は2003年の「JET / ARE YOU GONNA BE MY GIRL」を彷彿させます。女性とのツイン・ヴォーカルの肩の力の抜け具合がスウェーデン流なんだろうか、全体として淡白な印象を受け、それが良い持ち味になっているようですね。エコー感のあるギターのカッティングも効果的で心地よい浮遊感を出すことに成功しています。この浮遊感はハリーラブものとしては新境地という感じがしますね。サビ含めたメロディもなかなか良質です。

「YOU TUBE」で聴けます。

LOVENINJAS / KEEP YOUR LOVE(オリジナル)
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(浮遊感)ポップ偏差値合計
76776777559


BLACK & WHITE LOVERS / PASSION OF MINE '84



ドイツのFirestation Recordsから出ているマイナーなギターポップを集めたコンピ「The Sound Of Leamington Spa Vol.8」収録曲。1980年代中期にマンチェスターで活躍していた6人編成のバンドみたい。DISCOGS見てもシングル1枚しかディスコグラフィが無いから数曲だけ残して解散しちゃった感じですかねえ。曲は甘いメロディをもつ一聴すると単調なバラード。ヴォーカルはなんか調子っぱずれだし歌唱も声質もいまいち。更に録音も生音の一発録音って感じでかなり素人臭い。しかしながらこの曲には一瞬の切れ味が!サビから入りAメロ、そしてサビに戻り転調した後のBメロには一瞬に凝縮された得も言われぬ甘美な箇所があります。1分8秒のあたりの「I DREAM・・・」と歌ったあとのバックの演奏がそれですが醸し出す甘いサウンドが素晴らしい。どうも背景など考慮すると偶然出来ちゃった感が強いですが、甘茶ソウル好きな方なら感じるところはあるのでは?しかし、この曲をブログで取り上げるのって世界中で私だけって気がしますね・・・。

「YOU TUBE」で聴けます。ライブ映像もあり。

PHIL WILSON / EVEN NOW '87 12"「Waiting for a Change」収録

PHIL WILSON Waiting for a Change.jpg

ロンドンのJune Bridesというバンドでヴォーカルをやっていたフィル・ウイルソンがバンド解散後、ソロで発表した12インチシングル「Waiting for a Change」収録曲。1987年にCreation Recordsから出ています。全体としてエコーで靄がかかったかのような幻想的な雰囲気の曲。情緒的で切なげなメロディを甘く優しく歌い上げます。メロディの出来も良いけれど、コーラスやギターなどを幾重にも重ねたアレンジに妙味がありますね。ドラムもエコーを効かせてちょっとした音壁風味。

「YOU TUBE」で聴けます。

ORCHIDS / IT'S ONLY OBVIOUS '89 「Lyceum (Sarah 401)」収録



学生時代にORANGE JUICE,AZTEC CAMERAなどのネオアコものに熱中したものの、すぐにレゲエなど他ジャンルへと興味が移ってしまい、突如出現したパーフリに驚かされたけれども、イギリスのネオアコシーンとは完全におさらば状態となってしまっていました。90年代のネオアコシーンについては当ブログを始めるにあたって後追いで学習した程度なのでまだまだ不勉強なところもあるんだけど、このORCHIDSの所属していた「Sarah」レーベルというのは、80年代前半のPOSTCARDレーベルの再来かそれ以上といった感じに良質で才能あるバンドが集まっていて驚かされました。これはその出現から是非リアルタイムで体験してみたかったかも。

「蘭」という花の名前をとったこのグループの89年のアルバム「Lyceum」収録のこの曲は、80年代初期の若さ爆発といったネオアコ群とは一線を画し若者バンドとしてはずいぶん大人の雰囲気を感じさせる。特にイントロから聞こえてくるギターの甘く、思慮深さを感じさせるフレーズや内省的雰囲気を醸す優しげなボーカルは、気持ちを駆り立てるというよりはむしろ落ち着かせてくれる。こういうのを聞くと個々のグループというよりはネオアコという大きな共同体それ自体の成長を感じさせてくれます。

「YOU TUBE」で聴けます。

Peter Astor & The Holy Road / Almost Fallig In Love '92 「Paradise」



1980年代にLoft、Weather Prophetsなどを率いた名ソングライター、ピーター・アスターの92年のシングル曲でアルバム「Paradise」にも収録されています。当ブログでは既に「WEATHER PROPHETS / WHY DOES THE RAIN」を紹介済み。

シンプルながら透明感のあるアコースティックなギターを中心としたサウンドをバックによく出来たメロディが特徴的。明るく元気というタイプの曲ではないけれど甘く優しいメロディに思慮深そうな大人びた唱法が魅力的。個人的に80年代後半以降は全くギターポップを聴いていなかったので完全に後追いなんですが、リアルタイムで追ってたら楽しかっただろうなあ。

「YOU TUBE」で聴けます。

MASHMALLOW KISSES / EVERYONE ELSE IS AHEAD, FAR AHEAD '04 「I Wonder Why My Favorite Boy Leaves Me an Ep」



香港出身のネオアコ系男女デュオのCD「I Wonder Why My Favorite Boy Leaves Me an Ep」収録曲。男女共に淡く優しいウイスパリング・スタイルで歌う楽曲で、いわゆる渋谷系って感じ?ハモったり、交互に歌ったりと淡白な中にも情報量の詰まった聴き応えのあるヴォーカルワーク。特に女性の可愛らしい声質がイイね。メロディは少し物悲しげだけど品の良さと質の高さを感じさせます。どちらかというと質素で派手さの無いサウンドですが、途中に入るオルガン風の間奏のフレーズが心に沁みて魅力的。

「YOU TUBE」で聴けます。

Biff Bang Pow! / She haunts '88



ビフ・バン・パウ!と発声するイギリスのインディーバンドが1988年にCreation Recordsから出した12インチシングルのタイトル曲。というかレーベル・オーナーのバンドらしいですね。脱力系ハーモニカのとぼけた音色のイントロが特徴的で、ヴォーカルも適度に力が抜けていて全体として穏やかな和める曲って感じです。まあ、悪く言えばちょっと地味なんだけど、リズムは速めなのでポップ感はしっかりと確保されてますね。バックのギターサウンドも心地良く、情緒的なサビの盛り上がり及び全体のメロディラインの質は高く、流石クリエイションって感じの良曲です。

「YOU TUBE」で聴けます。

SEA URCHINS / PRISTINE CHRISTINE '87



1986年に結成されたイギリスのポップバンドのSarah Recordsからの1STシングル。どこか投げやりなヴォーカルが物悲しく感傷的な香りのするメロディラインをヘタウマ的に歌っています。声質も特に魅力的ではないんだけど、軽快なサウンドにのって妙な味わいがありますね。この曲を単なるヘタウマ曲に終わらせなかったのが、イントロや間奏で聞けるギターソロの存在。短い中でもキラリと輝く魅力的なフレーズを聞かせてくれます。特に1分20秒の辺りのソロは軽快かつグルーヴィーでグイグイ引きこまれてしまいます。全体を通して聞けるキラキラとしたギターの装飾音もイイね。

「YOU TUBE」で聴けます。

TEENAGE FANCLUB / SOMETIMES I DON'T NEED TO BELIEVE IN ANYTHING 「SHADOWS」'10



1990年にデビューしたスコットランド出身のギターポップ・バンドの2010年発表の第9作目となるアルバム収録曲。1990年というと私がギターポップものを既にリアルタイムで聴いていなかった時期で、このバンドのこともごく最近になって知ったばかり。完全な後追いながら、かなり良質な曲を多く作る素晴らしいバンドであることをヒシヒシと感じてはいたのですが、今回取り上げたこの曲がほんの数年前に発表されたばかりの曲であることにもまた驚かされました。何故ならそれほどまでにこの曲に、イギリスの若いギターポップ・バンド特有の瑞々しさ、清涼感や透明感などを感じていたから。言われて聴き返してみると、瑞々しさ以外にも年を重ねなければ得難い思慮深さや落ち着き、メロディに芳醇な味わいを感じさせますね。明るくポップな曲という訳ではないけれど、新録が期待できる数少ない現代のギターポップ・バンドの優良曲としてお勧めです。

「YOU TUBE」で聴けます。

ANOTHER SUNNY DAY / YOU SHOULD ALL BE MURDERED '89「LONDON WEEKEND」



イギリスのネオアコ・バンドでSARAHレーベルからの89年のアルバム「LONDON WEEKEND」収録曲。か細いヴォーカルがTHE SMITHのモリッシー似ということで人気のようですが、個人的にはイントロから延々続くギターの音色の方が特に気に入っている曲。どこか物悲しく切なくも煌びやかな音色でねっとりと空間を埋め尽くすギターサウンドは、やはりイギリスで80年代に活躍したNEW WAVEバンドのFELTのそれを彷彿させる。空間貧乏性な私のような日本人には相性がいいんじゃないですかねえ。アップテンポな曲なので疾走感を感じさせるのもイイ。ヨーロッパを感じさせるシンセの冷ややかな音色も曲の気高さを増幅させています。

「YOU TUBE」で聴けます。

HIT PARADE / FOREVER '84 「With Love From The Hit Parade」

WITH LOVE FROM THE HIT PARADE.jpg HIT PARADE  FOREVER.JPG

以前、「似てるな(笑)。 HIT PARADE / YOU DIDN'T LOVE ME THEN '85 」として、フリッパーズギターの「全ての言葉はさよなら」の元ネタ曲を紹介したザ・ヒット・パレードの1STアルバム「With Love From The Hit Parade ('88)」収録曲。明るく元気な曲という訳ではないけど、こちらも負けず劣らず良いメロディ。

バックは哀愁を帯びたピアノの音色を主体とした簡素なものだけど、それだけにメロディの良さが引き立っている感じ。青春時代の思い出よいつまでも!ってな歌詞なのでしょうか、甘酸っぱくも懐かしい記憶を思い起こさせてくれるのです。実直そうなヴォーカルにも好感が持てますね。少しスピードを早めたギターポップ・バージョンなんてのがあっても面白かったかも。

「FOREVER,FOREVER」と歌い上げる曲は古今東西たくさん存在するんだろうけど、1965年のBob Creweによる美メロ曲Diane Renay - I HAD A DREAMは、ちょっとこの曲と雰囲気が近く元ネタ的と言えるかも知れません。

WEATHER PROPHETS / WHY DOES THE RAIN '87

WEATHER PROPHETS  WHY DOES THE RAIN.jpg

「SUBMARINE」などのソロ作品で知られるPETER ASTORが、「THE LOFT」というバンド解散後に結成したバンド、ウェザー・プロフェッツの曲。「THE LOFT」時代にもやっていた曲のセルフ・カバーで、そちらも悪くはないけど、いい意味で垢抜けて幾分ポップ度が増したこちらの方が個人的には好み。とはいえ元々が地味な曲なんですけどね。淡々とした曲調にほんのり温かみのある美しいメロディ、落ち着いたヴォーカルはどこか達観した感のある大人の雰囲気。うーん、やっぱり当ブログで取り上げるにしては渋すぎるかなー。

「YOU TUBE」で聴けます。

BLUEBELLS / WILL SHE ALWAYS BE WAITING '84 「Singles Collection」収録

BLUEBELLS SINGLES.jpg

AZTEC CAMERA同様スコットランド出身のネオアコバンド、ブルーベルズのCD「Singles Collection」に収録。プロデュースはELVIS COSTELLOです。「YOU TUBE」で聴けます。

明るく元気な曲という訳ではないけど、冷たく張り詰めた空気を感じさせる爽やかでちょっと悲しげな曲。繊細なアコースティック・ギターが中心になって、そんな雰囲気を醸し出しますが、ネアオコものには珍しくストリングスが大きく導入されているのも特徴的。その凝ったアレンジで基本的に静かな曲を、変化に富んだサウンドに仕立て上げ聴く者を飽きさせません。若き少年達の瑞々しくもナイーヴな胸をキュンとさせるメロディに、格調高さと優美さを加えたアレンジはとても味わい深いものがありますね。

THE TIMES / TEARS ON A RAINY SUNDAY '85 「BLUE PERIOD」収録

THE TIMES BLUE PERIOD.jpg

きれいなエレピの響きの清涼感が素晴らしいバラード系ギターポップ。明るく元気な曲ではありません。「雨の日曜日の涙」というタイトル通り、物悲しく切ない曲調に、かなり湿っぽく情緒的な泣きのメロディ。この頃活躍したイギリスのバンドということではCHINA CRISISの持つ柔らかで淡白な雰囲気と似た感じがありますね。エレピが軽やかに響きわたる曲なんかが好きな人にオススメのバラード系名曲です。

【 おまけコーナー 】

アズテックカメラの元ネタは? AZTEC CAMERA / HIGH LAND, HARD RAIN



ネオアコの大傑作アルバム「ORANGE JUICE / YOU CAN'T HIDE YOUR LOVE FOREVER」と並び評価の非常に高いアズテックカメラの1STアルバムはネオアコ開始の大号令でもあった訳で、それだけに如何にしてネオアコは始まったのか?という疑問を紐解く意味でも実に重要なアルバム。両アルバム収録のネオアコ良曲の元ネタは、フリッパーズギター元ネタのページを作っている私としては長年気になっていました。先日表題アルバムの日本盤にロディフレイムによる各曲の解説が掲載されているのを読んだので、ここではそれらの元ネタをご紹介。

「OBLIVIOUS」:アレンジはちょっとラテンっぽい。ギターソロは「LOVE / ALONE AGAIN OR」(1970年)のトランペットソロにインスパイアされている、とのこと。「LOVE / ALONE AGAIN OR」(トランペットソロは1分48秒から2分12秒まで)聴いてみるとスペインのフラメンコのようなちょっと哀愁を帯びた暗めのメロディ。正直なところギターソロ部分との類似点は感じられなかったんだけど、曲全体で聴けるギターの感じは、なるほどこの曲辺りの影響が強かったのかなという印象。ただ、曲全体がラテンっぽいか?というとそんなことはないんじゃないのかなあ。

「WALK OUT TO WINTER」:「DIANA ROSS / AIN'T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH」にかなりインスパイアされていたのが分かる、とのこと。「DIANA ROSS / AIN'T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH」うーん、全く分からん。サビのメロディですかね?Marvin Gaye & Tammi Terrell版の方なら少しはサビかな?と感じられるけど。曲全体がソウル/ディスコっぽいかというと全くそんな感じはないですしね。

「PILLAT TO POST」:このアコースティック・ギターはスタックスの曲の一部かな、とのこと。スタックスはアメリカ南部のソウルのレーベルだけど、あまりにも漠然とした表現なので特定は難しそう。分かる方います?特に間奏のギターの元ネタは知りたいですね。こちらも曲全体がソウルっぽいかというと全くそんな感じはない。

「RELEASE」:ウェス・モンゴメリーにインスパイアされた曲、とのこと。

ある程度元ネタに言及されているのは上記のみ。どうも本人の言葉からは、パーフリのように明確な元ネタは分からなかった感じがします。個人的には「WALK OUT TO WINTER」や「PILLAT TO POST」の疾走感と瑞々しさ等の具体的な元ネタがあったら知りたかったのだけど、ちょっとしたヒントを大きく膨らませ、あくまでロディフレイム本人のオリジナリティに寄与するところが大きかったのかなという印象が残りました。何か元ネタに気づかれた方いましたら是非教えて下さい。


以下、工事中です。




ランキングや解説、偏差値詳細などはおいおい付け加えていきます。




AZTEC CAMERA / THE BOY WONDERS ライブバージョンも良い。
AZTEC CAMERA / LOST OUTSIDE THE TUNNEL 「HIGH LAND,HARD RAIN」収録

BLUEBELLS / CALLANDER GREEN '92 「SECOND」収録
BLUEBELLS Second.jpg
84年の1ST発表後録音されたものの長らく発表されていなかった音源が92年になってようやく発表されたものだそうです。

CHRIS STAMEY & DB'S / (I THOUGHT) YOU WANTED TO KNOW '78 (Car Records/CRR-7)
DBS I THOUGHT FRONT.jpg DBS NEVERLAND.jpg
画像右側は別のシングルだけど、このポップ感覚がイイ。

フリッパーズギター / ピクニックには早すぎる
フリッパーズギター / 恋してるとか好きだとか
フリッパーズギター / さようならパステルズ・バッヂ

フリッパーズギター / 星の彼方に(Blue Shinin' Quick Star)
FLIPPER BLUE SHININ1.jpg FLIPPER BLUE SHININ2.jpg

FRIENDS AGAIN / WAND YOU WAVE '84 12" 「THE FRIENDS AGAIN EP」
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GIRLS AT OUR BEST! / I'M BEAUTIFUL NOW '80 LP「PLEASURE」
GIRLS AT OUR BEST.jpg GIRLS AT OUR BEST BAG 1.jpg GIRLS AT OUR BEST BAG 2.jpg

HIT PARADE / CORPORATION STREET '93 「SIXTEEN WEEKS」収録
HIT PARADE SIXTEEN WEEKS.JPG

HOUSEMARTINS / HAPPY HOUR '86 「London 0 Hull 4」収録
HOUSEMARTINS  HAPPY HOUR.jpg HOUSEMARTINS  HAPPY HOUR PIC.jpg HOUSE MARTINS HAPPY HOUR INDIES.jpg HOUSEMARTINS London 0 Hull 4.jpg

JAZZ BUTCHER / SWELL '87 「Fishcotheque」収録
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MAX EIDER / ROSEMARY '87「THE BEST KISSER IN THE WORLD」

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OCEAN COLOUR SCENE / UP ON THE DOWNSIDE '01 「Mechanical Wonder」収録
OCEAN COLOUR SCENE UP ON THE DOWNSIDE.JPG

ORANGE JUICE / UPWARDS AND ONWARDS
ORANGE JUICE / CONSOLATION PRIZE

PETER ASTOR / SUBMARINE '94 「SUBMARINE」収録
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「ALMOST FALL IN LOVE」の淡白なメローさもなかなか魅力的です。

SHACK / Byrds Turn To Stone '03
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WEATHER PROPHETS / CAN'T KEEP MY MIND OFF YOU '87 「MAYFLOWER」収録
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ネオアココンピの世界


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