カテゴリ:投資戦略の比較検討
今年も1年間、退場することなく無事に投資を続けることが出来ました。
年間のリターンは、前回の日記に記載した通り+32%程度となっています。指数(TOPIX、JASDAQ指数等)を上回る利益を上げられましたので、個人的には非常に満足しています。 僕が株式投資を始めたのは2010年6月で、その年の春に社会人になってすぐの頃です。今は投資を始めてから2年半、きちんとパフォーマンスを付け始めてからは大体2年間が経ちました。 この間、欧州債務危機や東日本大震災などは経験しましたが、05年~07年の上昇相場や08年のリーマンショックを切り抜けてきた強者の方と比べれば、まだまだ素人です。 素人でも儲かる相場はそのうち終わりますので、その時に備えて堅実さを失わないようにしたいと思います。 ■ ■ さて、前置きが長くなりましたが、本題の方に入ります。 ポートフォリオのリターンの分析方法の一つに、「シングルインデックス・モデル」という手法があります。 この方法では、ポートフォリオのリターンを「市場平均に連動した部分(β)」と「市場平均に対する超過収益(α)」に分解して、その特性値を把握します。(ここでは残差は考慮せず) こう書くと複雑に見えますが、平たく言うと市場平均とPFの間で回帰分析をやる感じになります。市場平均に連動した部分(β)が回帰式の傾き(勾配)に、超過収益(α)が切片(定数項)に該当するようなイメージです。 このモデルのメリットは、自分のポートフォリオが上昇局面と下落局面どちらに強いのか、更には具体的にどれくらい強い/弱いのか・・・という「癖」を数値で把握出来る点にあります。 で、せっかく毎月リターンを記録してきていますので、自分の資産をモデルに上記の分析をやってみることとしました。 ■ ■ 次の表は、2011年1月~2012年12月の期間における、TOPIXの月次リターン(X軸)と僕のポートフォリオの月次リターン(Y軸)の実績を示したものです。 基本的な傾向として、TOPIXのリターンがプラス(右側)のときは、ポートフォリオのリターンもプラス(上側)に位置することが多くなっています。(当たり前のことですが) 回帰式は以下の通りです。 ∧ Y=0.58X+1.32% r=0.8554 従って、シングルインデックス・モデルを使用した場合のポートフォリオの月次収益は、 ポートフォリオの月次収益=0.58(TOPIX)+1.32% 市場平均への連動度(β):0.58 超過収益(α):+1.32% ・・・と表せることになります。 ここから、 (1)大きな上昇相場に弱いポートフォリオである 上昇相場に弱く、具体的にはTOPIXが1ヶ月に+2.3%以上上昇する場合、統計的にTOPIXに対して劣後することが見込まれる。 (2)全般に下落相場に強いポートフォリオである β値が低いため、下落相場での下落率はTOPIXより小さくなる。また、超過収益(α)が+1.32%あるため、TOPIXが1ヶ月に▲2.3%程度下落する場合も、プラスのリターンを得ることが出来る。 ・・・といったことが分かります。 数々の調査において、「バリュー株は上昇局面では市場平均に遅れを取るが、長期的に見ると市場平均よりも大きなリターンを得られる」という結果が出ているようです。 ある意味、典型的なバリュー株の特徴を持ったPFといえるのかもしれません。 ■ ■ さて、安倍政権の発足に前後して日本市場は大きく上昇し、来年度の相場の見通しについても強気の見通しが多く見られます。 マスコミという靴磨きの少年が強気になったという事は・・・・・というひねくれた見方も出来ますが、想定通りに株価が上げた場合も、僕の資産はTOPIXほどには多分上がらないだろうと思われます。 「周りが儲けてるのに悔しい」と思ってしまうかもしれません。 でもそういう時は、自分のポートフォリオの癖を思い出しつつ、次の下落相場に向けて、購入候補の企業を入念に選んでいたいと思います。 投資家のみなさま、1年間お疲れ様でした。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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