2551070 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

320life

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

ノマ@320life

ノマ@320life

サイド自由欄

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

カテゴリ

2022.11.17
XML
テーマ:読書(8559)

本のタイトル・作者



知らないと恥をかく世界の大問題13 現代史の大転換点 (角川新書) [ 池上 彰 ]

本の目次・あらすじ


プロローグ 世界は新たな時代を迎えた 
第1章 どうなるバイデン政権の今後
第2章 ウクライナ危機。揺れるヨーロッパ 
第3章 米中ロの国益が交差するユーラシア 
第4章 “経済からイデオロギー”へ。転換した中国 
第5章 国際ルールを守らない国、平和を脅かす国 
第6章 歴史の韻を踏む、いまの日本は? 
エピローグ 未来を知るには、未来を創ること

引用


未来を考える力を身につけることは、自らの人生を考えること。学び方や生き方を選ぶことは、あなた自身に託されています。
たくさん読書をしてください。興味を持ったどんな分野でもかまいません。1日30分でもかまいませんから、スマホを置いて活字を読み、真の豊かさとは何か、考える時間をつくってほしいと思います。


感想


2022年297冊目
★★★★

これ1冊読んでおけば、とりあえず今ニュースでやっているようなことは背景知識を理解できる。
という意味で非常に良い教科書的な内容。
図解も多く、分かりやすい。お値段も手ごろ。

私は本当に常識がなく社会知識もなく、びっくりするくらい物を知らない。
覚えても理解してもすぐに忘れるというのもあるのだけれど…。
だから何度でもインプットして、(そして忘れて)またインプットして、の繰り返し。
そのうちに少しくらいは覚えておけるかもしれないと期待して。

恥ずかしながら、今回のアメリカの中間選挙も「ふーん、選挙か」くらいにしか思っていなかった。
アメリカって大統領制だから、日本の首相と違って議員の解散権が大統領にないのね。
だから議員は皆、任期を全うすることになる。

今回の中間選挙では、上院議員の1/3(34人)と下院議員全員を選び直す。
上院議員の議席数は100人。下院は435人。
上院は50州から各2人ずつ、下院は人口比率に応じ各州に議席数が配分される。
現在議席が一番多いのはカリフォルニア州(53人)、一番少ないのはアラスカ州ほか7州で各1人。
州の議席数は10年に1度の国勢調査で割り当てを修正する。
テキサス州は個人の所得税を課しておらず(!)節税のために移住する人が増えて議席が増えている。

こういう事情を知っていると、ニュースを見る目も変わって来る。

池上さんが書いていらしたことのなかで「なるほど」と思ったのが、ソ連が存在していた時は世界に現在のような「超」経済格差は存在していなかった、という指摘。
資本主義は、社会の不平等が社会主義への引き金になるとして警戒し、資本主義が行き過ぎないようにブレーキをかけていた。
けれど社会主義が敗北し、世界が資本主義に覆われて―――今や、世界のトップに位置する1%の富裕層が、下位50%にあたる層の約20倍の資産を持つのだそうだ。

社会主義は高い理想を掲げていたし、その理想自体には「こうだったらいいのに」と思うこともたくさんある。
けれど思ったよりも人間はダメな生き物だったんだよな。
社会主義だった国も、やがて腐敗する。
理想を実現するための力は恒常的な権力として、多大な犠牲をもたらす。
どうしてこうなってしまったんだろう。
はじめはもっとよい世界を、みんなが平等な暮らしを、ともに豊かであることを、目指していただけだったのに。

年寄りは本気だ はみ出し日本論 [ 養老孟司×池田清彦 ]」で引用されていた「SDGsは『大衆のアヘン』である」がこの本でも紹介されていた。
元は、2021年新書大賞1位受賞の斎藤幸平さん『人新世の「資本論」』なのね。
カール・マルクスを再評価する本だそう。これも読みたいな。

日本は世界第3位の経済大国のはずなのに、先進国の中で賃金や生産性は最低レベル(2020年の平均賃金データはOECD中22位/35カ国中)。
最近の円安もあり、「日本は物価の安い国」になってきている。
池上さんは、一方で日本は失業率が日本では169番目/189カ国中と、平均給与が高いけれど失業率が高い国とは違う「良さ」もあると言う。
休廃業もとても少ないのだそうだ。

これから日本はどうなっていくんだろうなあ。私の子どもたちは。
これまで「貧しい国」を下に見ていた日本人は、これからそう見られるようになるんじゃないかな。
ジャパンアズナンバーワンの幻を見た世代からは、許せないことかもしれないけれど。

年配の人と話をしていると、「日本は特別」という思い入れが強いことに違和感を覚える。
日本語は美しい、他とは違う。
日本文化は素晴らしい。他とは違う。
そのうち日本には神風が吹くとか言い出すんじゃなかろうかと思ってしまう。

私は日本で生まれ育った。日本に思い入れはある。
「私にとって」日本語は特別な言葉であり、日本は特別な国だ。
けれどそれは他の人にもそう思われる、そう評価されるということとは別なんだ。
それぞれの国の人が、それぞれの国を特別であると感じ、大切に思っているんだよ。
あなたが眉をひそめて、「これだから○○人は」と呼んだ人たち。
その力はそのまま、あなたに返って来る。
そのことを覚えておいた方がいい。
何ら特別な言葉も国も文化もないのだと、同じくらい肝に銘じておいた方がいい。

私はあまりにも物を知らなくて、いつだって恥をかいてばかりだ。
世界はいつも知らないことばかりで、ちっぽけな自分が消えてしまいそうだと感じる。
でも時々うれしくなる。
知らないことが山ほどあることが。途方もなく広がる世界が。
とうてい追い付けない量の知識。先人たちの残した書物。新しくもたらされる情報。

生まれてからずっと、この町から出たことがない。
きっと死ぬまで、ここにいるんだろうな。
でも知っているんだ。世界は広いんだよ。
自分の存在が悲しくなるくらい、うんと広いんだ。
だから頭に世界の端切れを詰め込んで。
胸の前で拳をぎゅうと握りしめて。

ちっぽけな自分の人生を、誰にも渡さないように。

これまでの関連レビュー


無敵の読解力 [ 池上彰・佐藤優 ]
池上彰の世界の見方 東欧・旧ソ連の国々 [ 池上彰 ]
池上彰の行動経済学入門 [ 池上彰 ]
独裁者プーチンはなぜ暴挙に走ったか [ 池上彰 ]


ランキングに参加しています。
「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.12.03 23:18:56
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X