熊本伝統「赤酒」再び 被災の老舗「瑞鷹」出荷再開へ
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熊本地震で被災し、酒造りがストップした創業1867年の老舗蔵元「瑞鷹(ずいよう)」(熊本市南区川尻)が、仮設の製造ラインを整え、今月中にも熊本県伝統の「赤酒」の出荷を再開できる見通しとなった。ただ明治期に建造され、市の景観重要構造物に指定されている白壁の木造酒蔵などの損壊は激しく、復旧のめどは立っていない。
同社が「東肥(とうひ)赤酒」のブランドで製造販売している赤酒は、熊本県内の正月のおとそとして欠かせないほか、飲用や料理用として全国から需要がある。だが一連の地震で出荷直前の赤酒や清酒約1万本が破損。木造蔵の瓦や土壁は崩落し、貯蔵タンクや瓶詰め機械など施設の7割以上が損壊した。
「瑞鷹は、壊れた醸造蔵から約8トンの圧搾機や貯蔵タンクを別の倉庫内に移動させるなどして仮設の製造ラインを構築。地震前の半分程度の生産量ではあるが、赤酒の製造、出荷を再開できる態勢を整えた。ただ十数棟ある建物の大半は復旧が手つかずで、解体にしろ修繕するにしろ多額な費用が必要という。 こうした中、地元の川尻地区の有志たちが、昔ながらの街並みをつくってきた同社の建物群を取り戻そうと「川尻『瑞鷹』復興支援の会」(会長・三角保之元熊本市長)を発足させた。
詳細はサイト=http://www.kawashiru.com/
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