PANACEA赤坂院＜旧 VOICE治療院http://panacea-tokyo.jp/

四十肩と書きましたが、
五十肩でも六十肩でも良いのであります。

症状としては、
「ある日突然腕が上がらなくなる」と言うのが多いでしょうか。
結帯、結髪障害なんて言いますが、
手が後ろにまわせなくなったり、シャンプーをするように頭に手を挙げられなくなる症状を、
大雑把にまとめて、
四十肩と言います。

ちなみに私は、
50代の方にも60代の方にも「四十肩」と言うようにしています。
「病気で若返りましたねー　笑」というと、
みなさん少なからずにこっとするからです。

しかし当の本人は笑い事ではないのです。


私が今、
診せていただいている70代のおばあちゃん。

小柄で細身ですがとてもお元気で、
きびきびと動きながらいつも大きな声で話をしてくださいます。

このおばあちゃんが、
昨年の暮れに脚立から落ち、肩と腰を打ち、
それがきっかけで左腕が上がらなくなってしまった、とおっしゃいます。

髪も自分で洗えない。
それを娘に頼むのも悪い気がしてしまう。
30年続けているゴルフが出来ないのが辛い。

そういって左腕をさすりながら、
いたそうに眉根を寄せて話してくれました。

整形外科では暖まるだけで何もしてくれず、
接骨院では痛い局所以外のマッサージしかしてくれず、
いっこうに症状が改善しない。

そうこうするうちに左腕をかばって酷使していた右手まで痛くなってきた。
通っている接骨院では、
「まずいなー。こりゃ痛みが移行しちゃったなー。」
と言われてしまったらしく、
とても不安であったとおっしゃってました。


炎症があり、局所が腫れているならともかく、
打撲から一ヶ月も二ヶ月も経っているのに、
局所に対して何のアプローチもしない整形外科の治療方針には首を傾げます。

また「痛みが移行した」と表現した接骨院の先生。
痛みは移行なんてしませんよ。

痛い左腕をかばっていて、
右腕だけで生活していたから疲労がたまって痛みが出ただけじゃないですか。

筋肉の表層での疲労が拡大し、
痛みやコリの範囲が広がって入るものの、
深層での筋肉の痛みは「移行」なんてしません。


そんなことをきちんと説明して、
鍼灸治療をベースに指圧をしています。


昨日で4回目。
「移行した」と言われた右腕の痛みはすぐになくなりました。

しかし左腕の挙上時の痛みは、
35％減と言う程度。

治療直後は頭にも手が行くのですが、
どうしても時間の経過に負けてしまいます。


こんな時、
患者さんから「またゴルフがしたい！」と言われたらどうするでしょう？


私は「是非やってください！（＾０＾）」
と答えています。

一時的に症状が悪化しようとも、
患者さんが積極的にやりたいことは何でもやって欲しいのです。

生物にとって、
健康は目的ではなく手段です。

健康になること自体が目的なのではなく、
何かをするために健康が必要なのです。

私はこのおばあちゃんにも、
痛みを無くすことだけを目標にするのではなく（もちろんそれも大事ですが）、
ゴルフをまた出来るようになるために、
痛みの除去も含めて、全身全霊で健康になって欲しいのです。

そしてこのおばあちゃん、
早速クラブを握ってくれました（＾-＾）

まだドライバーでのフルスイングは無理ですが、
ピッチングは問題なくなってきたとのこと。

二人の当面の目標は、
夏ぐらいまでにドライバーのフルスイングが出来るようになる！
ことです（＾-＾）

風邪や病気、辛い症状をもっている皆さん。
どうぞその先に目標を立ててみてください。
きっと治療の効果も、症状の改善具合も変りますよ。