ファーガソン「ロッシは優れた選手」ウソ?ホント?
個人的には、試合前の選手・監督のコメントは当てにしていない。別の言い方をすれば、少し古いが“右から左へ受け流す”感じで接している。なぜなら試合前に何を言ったところで、どこの世界においても最終的には結果論が支配することになる。つまりは結果以前のことなど全くの無意味なのである。とはいえ、それが全ての事象に当てはまるわけでもない。結果、予想通り・読み通りになることだってある。我がユナイテッドのファーガソン監督がコメントを出していた。「ジュゼッペ・ロッシは本当に優れた選手だ。 ビジャレアルへ放出するときは本当に悩んだよ。 ただ彼はプレーすることを望んでいたから仕方がなかった。 だから契約の際に買取オプションを組み込んだんだ」ビジャレアルと合意した際に、ユナイテッドが希望すればロッシを買い戻せるという、いわば優先交渉権のようなものを契約に組み込んでいたことをファーガソンは認めた。ただ、このコメントが出されたのはチャンピオンズリーグの前日会見でのこと。そしてユナイテッドの対戦相手は、ロッシを獲得したビジャレアルである。ファーガソンは言うまでもなく試合前の駆け引きに長けた人物であり、好んでそれを仕掛けるきらいもある。確かにパルマへローンで放出した際も最後までロッシの有望ぶりを隠さず話してきたし、ビジャレアルへの放出が決まった際も惜しむ声と同時にロッシへの賛辞を包み隠さず語っていた。だがタイミングを考えると精神的揺さぶりとも捉えることが出来る。ロッシを持ち上げることでリスペクトを見せながらも、『自分達はロッシを分かっている。そう簡単には行かせないぞ』とプレッシャーを与えているように思う。また買取オプションの件を公表することで精神的同様をチームに与えているようにも感じるのである。例えば同グループのセルティックやオールボー戦前にこのようなコメントはなかったように思う。逆に言えばビジャレアルの力を認め、だからこその仕掛けと言えなくもない。おそらくは決勝トーナメントに進出するのは両クラブだろう。そしてビジャレアルの今シーズンの戦いを見て、トーナメント以降に戦う可能性もなくはないと感じたのだろう。ならば現段階で力を見せ付けておくことで後の試合を優位に進めようと考えているのではないだろうか。さらに穿った見方をすれば、契約の切れるテベスの後釜として実際に考えているかもしれない。ただ結果そうなったとしても、現時点ではテベスの放出を完全に認めてはいないだろう。なんなら来シーズン以降の契約延長を前提として、今シーズンの動きなどをチェックしている最中であろう。今後のタイトなスケジュールを考えれば、やはり本心を含めた駆け引きを仕掛けたと捉えるのが妥当であろう。ほな、また。