68年のシリーズから今作第5弾、実に40年強の時間の経過がある。最近は様々な作品でこの原点となった映画が創られている。この猿の惑星も原点はこうだったんだ!という脚本のもとに製作された。
人間が高度な猿に支配される世界観を描いた「猿の惑星」の起源に迫るSFドラマで、なぜ人類文明は崩壊し、猿が地球の支配者になったのかという謎を解き明かしつつ、人類への警鐘を近作は今までにない有得る事象で作成されたように思えた。
出演は「127時間」のジェームズ・フランコ、「スラムドッグ$ミリオネア」のフリーダ・ピント、「アレックス・ライダー」のアンディ・サーキスなど。
製薬会社研究所に勤める神経化学者ウィル(ジェームズ・フランコ)が実験用に観察していた一匹のチンパンジーに驚くべき知能が示される。そのチンパンジーには開発中のアルツハイマー病の新薬が投与されていたが、突如暴れ出し射殺されてしまう。
だがそのチンパンジーは妊娠しており、ウィルは生まれたばかりの赤ん坊猿を自宅に連れ帰り“シーザー”と名付けて育てることになる。3年後、ウィルのもとですくすくと育ったシーザーは、家の中を縦横無尽に駆け回るようになった。ウィルとシーザーとの間には強い絆が生まれており、同時に母親のチンパンジーの特殊な遺伝子を受け継いだ彼は、類いまれな“知性”を発揮し始めていく。新薬が脳を活性化させる効果を確信したウィルは、研究所から持ち出したその薬をアルツハイマー病の父・チャールズに投与、すると翌朝、彼はそれまで悪化していた病状が嘘のように生気を取り戻す。5年後。ウィルは動物園の獣医キャロライン(フリーダ・ピント)と相思相愛の仲になり、体長5フィートにもなったシーザーは、より複雑で多様な感情を表すようになっていく。
そんな折、チャールズが再び病状悪化の兆候を示し、隣人とのトラブルを引き起こす。その様子を屋根裏部屋から目撃したシーザーは、チャ-ルズを助けようとしてその隣人を傷つけてしまい、霊長類保護施設に入れられる。檻に閉ざされた施設で、シーザーを待ち受けていたのは飼育長の陰湿な虐待だった。その一方で、なかなか施設内の猿のコミュニティに溶け込めずにいたシーザーは、チンパンジーの群れを率いるボスとの争いに勝利を収め、全ての猿たちをひとつのグループにまとめ上げていく。その頃、ウィルはより強力に改良した新薬の実験を行うが、猿への投与中に薬を浴びたウィルの同僚が原因不明の体調不良を訴えた後、夥しく出血、謎の死をとげる。ウィルは施設を訪れるが、シーザーはウィルが差しのべる手を拒絶。知性に目覚め、想像できない驚異的な進化を遂げる。高い知能を駆使し施設から脱出したシーザーは、仲間のチンパンジーらと共に人類との壮大な全面戦争を繰り広げていく。
この作品は人間、人類への警鐘そのもであり、見ていて末恐ろしかった。果たして人類は警鐘に邂逅すべく、正していくことが出来るのだろうか。今の世界を見渡す限り、未だその淵にも触れていないようにも思える。正直面白い作品には小生には映らず、むしろ重い映画だった。