今年のアカデミー賞ノミネートされてる「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」を先行して観てきた。
映画のタイトルやCMを見ると子供向けのようなイメージが漂うが、どうしてどうして本作は決して子供向けの映画ではないことにきずく。むしろ多くのものを失った経験がある大人だからこそわかるほろ苦い映画に仕上がったといえるだろう。
ヤン・マーテルのベストセラー小説『パイの物語』を原作で、作品の映画化は何度も立ち消えになった。この度ようやくアン・リーのもとで完成した。神秘的な海の描写は美しさ、きらめく夜光虫の海から飛び上がるクジラ、空中を飛行するトビウオの群れなどは目をみはる思いがする。
そしてすべてCGとは思えないトラの動きのすばらしさは、唖然とするほど完成度が高い。小生は観終わって始めてCGだということを知った一人である。
終盤、今までのエピソードに伏線が散りばめられていた事がわかった後は、とても熱いものを感じて込み上げる涙に似た感動を覚える。こういう映画こそできるだけ大きな画面で味わうと良いと思えた。
あらすじ的には動物園を経営する家族と航行中に嵐に遭い、一頭のトラと共に救命ボートで漂流する16歳の少年のサバイバルを描く。出演は、オーディションで選ばれたインド人のスラージ・シャルマ、「その名にちなんで」のイルファン・カーン、「シラノ・ド・ベルジュラック」のジェラール・ドパルデュー。
予想を遥かに超えた秀作だと思った。是非ともご覧頂きたい^^