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織豊時代の華道の物語である。
この程度のネタバレはいいのかと思うのだが、どんな話かといえば、 華道の力で豊臣秀吉の暴虐をいさめる話である。 実際にはそんなことはできるわけもないし、その分ご都合主義的なストーリーなのだが、花の美に免じて、まあ、こういうのもいいかな…と思わせる。 豊臣秀吉は大河ドラマなどでは肯定的に描かれることの多い人物なのだが、権力を握ってからは、自分の悪口を言った庶民を酷刑に処したという話もある。困苦と屈辱に耐えて成り上がった人間が暴虐な権力者になるということは、けっこう例があるのかもしれない。 日本史の一つの特徴として、権力者の暴虐や贅沢の記述が少ないということがある。 豪華な宮廷料理というものは外国にはあっても日本にはみられないし、絢爛豪華な宮殿というものもない。そんな中で豊臣秀吉は贅を極めた生活や庶民に対する暴虐で、ちょっと日本史の中では特異な人物のように思う。 というよりも、織豊時代そのものが、あまり日本的ではない時代、全体に穏やかな歴史の中で異彩を放っている時代のようにみえる。そしてそんな時代に茶道や華道が起こり、発展した。江戸時代の太平の中で文化が起こるのはわかるのだが、この時代にそうした文化が起こったのは不思議な気もする。 茶道はたぶん茶室が謀議の場として好まれた、だから当時茶を好んだのは婦人ではなく男性達だった、ということでわかるような気もするが、華道が起こった背景にはなにがあったのだろうか。 映画では主人公の僧が花を生け、死者を供養する場面が何度もでてくるが、まさか華道の背景が供養というだけではないだろう。華道は生け花であり、生きていくための力をもらうためのものなのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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