4029502 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

七詩さんのHP

七詩さんのHP

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

七詩

七詩

カレンダー

お気に入りブログ

定番ランチのひとつ… New! shuz1127さん

コメント新着

鳩ポッポ9098@ 歴史小説は、時代小説とは違うんですよ New! >史実をはなれて自由に作った大河ドラマ…
鳩ポッポ9098@ 意識は大事ですよ >既に結婚した人に対する子育て支援策よ…
・曙光@ Re:止まらない少子化(06/06) >子育て支援の議論も活発化しそうだが、…
七詩@ Re:初手から不味かった(06/04) 鳩ポッポ9098さんへ サプリはいまや巨大市…
七詩@ Re[1]:「光る君へ」と枕草子(06/03) ・曙光さんへ 史実をはなれて自由に作った…
鳩ポッポ9098@ 初手から不味かった >混入の経緯や因果関係の詳細は今後の調…
・曙光@ Re:「光る君へ」と枕草子(06/03) >紫式部の名をかりた少女漫画という感じ…
七詩@ Re:紫式部の要素が皆無なんですよね(06/03) 鳩ポッポ9098さんへ そうですね。枕草子に…
七詩@ Re:莫迦言ってんじゃないよ(06/05) 鳩ポッポ9098さんへ 裁判の公開は憲法の…
鳩ポッポ9098@ 紫式部の要素が皆無なんですよね >平安中期の政治闘争は史実どおりなので…

ニューストピックス

2017年09月11日
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

「人間の絆」を読み終えた。

自伝的教養小説で最初のうちは、やや単調で退屈であったが、ヒロインのミルドレッドが登場してから、ぐんぐん引き込まれて読んだ。

幼年期の母親の死から伯父の家に引き取られての生活、寄宿生学校でのいじめ、ドイツへの遊学、会計士見習い、そして画家への夢とその挫折。ああ、こういうことってよくあるのだろうな…と共感しながら、ゆっくりと流れていった主人公の人生は、医学生になり、ミルドレッドという女性に恋するようになってから急展開していく。とにかくこのミルドレッドという女性、美しいことは美しいのだが、それ以外ではダメ女で主人公は彼女を軽蔑しながら恋する。それって恋ではなく情欲ではないか。それに引きずられていけば人生を誤るだけだよと思うのだが、それでもやっぱり引き付けられていくものは仕方ない。一種の運命というものだろう。とにかくこの女、抽象思考は5分とできず、中身のない話をしては読書の邪魔をし、家事もできず、努力とか向上心とは一切無縁。詮索好き、噂話好きで、美貌を元手に、楽をしながら生きることしか考えない。そんな女でどうしようもないなあ、と思いながらも、強烈な個性を放つこのヒロインがいるからこそ、小説は成功している。

ミルドレッドとの最初の恋はまだわかるが、ただ、再会後に彼女と同じ家に暮らす心理はどうもよくわからない。同じ家に暮らしながら、彼女の肉体には無関心で、それどころか避けようとさえする。この自伝的小説では何人かの登場人物についてはモデルが特定されているが、ミルドレッドについてはモデルがさっぱりわからないという。作者の性向から、実は男性がモデルだったという説があるが、そうなのかもしれない。男であれば、あの不思議な同居生活もありそうである。

最後の結末に至るところは、通俗的な青春小説のようで、それが批評家には評判が悪いという。でも、一読者として言わせてもらえば、これはこれでよいのではないか。とにかくもう少し若い頃に読んでおきたかった名作である。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017年09月11日 20時56分23秒
コメント(5) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.