韓ドラの科学時代劇「チャンヨンシル」は面白かったし、日蝕の予測の計算式など適宜解説がはいるのもよかった。白土三平漫画の忍術解説(若い人は知らないかも)のようにわかるかどうかはともかくとして、そういう式や解法があることを知るだけでも興味深い。それだけに史実とはいえ、チャンヨンシルの杖刑と追放には不条理感でいっぱいである。あの半島にしては平和が続いた李朝初期、しかも聖王とよばれた世宗の時代に、最優秀頭脳の杖刑と追放なんてありうるのだろうか。あんなことをやっているからというのはともかくとして、フィクションの世界では、チャンヨンシルが実はその後西洋に渡って…という話もあるようであるが、なにかそういう話を作りたくなる人物である。
これに限らず韓国時代劇には粛清の場面が多い。今日英雄になっている李舜臣将軍も二度ほど処罰され、白衣将軍として降格されている。この大河ドラマも見たことがあるが、「こんなんなら倭国に投降した方がましじゃない」とつい思ったりもする。それ以外にも高官が突然「逆賊」とされ、男は処刑され、女子供は奴隷になるなんてのもよくある。その分、波乱万丈で、現代において時代劇として楽しむ分にはよいのだが。
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