総理が頭がよいとかいう秀才だとかという話はきこえてこないが、総理の周辺にはこざかしい知恵者がいるようだ。神輿は軽くてパーでも、それをかつぐ知恵者らがいい思いをするという構図なのだが、アベノミクスにはじまり、ウィメノミクス、女性が輝く、地方創生…と言葉だけでも、なにかよいことをやっているという雰囲気づくりにはなっている。実際には実質所得は減り、エンゲル係数は上昇しているのだが、その所得についても統計手法の変更で上昇したように見せているという。
もう…言葉で騙され、数字で騙され、油断もすきもあったものではない。
金持ち優遇といえよトリクルダウン
貧乏になっているのを〇〇ばなれというのはやめろ
こうした言葉の操作は過去にもあった。
太平洋戦争が終わったときである。
敗戦を終戦といいかえ、占領軍を進駐軍といいかえた。
そしていつのまにか、マッカーサーが天皇の「お人柄」にうたれ、あたかも戦争には負けたけど、「お人柄」では勝ったとかいう話が流布された。
そして極めつけは一億総懺悔。懺悔は悪いことではないのだが、敗戦は決して個々の国民の道義心が欠けていたせいではない。あの「誰も悪くないよ、みんなが悪いんだよ」というノリで国民の間から戦犯を追及する声は起きなかった。
昨今の一億総活躍も活躍自体は悪いことではないし、「活躍している」といえば悪い気はしないが、これを一億総労働といえばどうだろうか。年金が少ないから死ぬまで働くということで、かなり印象が変わる。