これまでの内容をまとめている時に初めて知った内容ですが、アトピー性皮膚炎児の場合（一般的に、アトピーと診断される場合）、ゴマアレルギーの関与している可能性が高く、陽性率はきわめて高いようです。ゴマの感作は結構早いそうです。もちろん、体質によるので、必ずしも感作するものでもありませんが…　例えば、月に２回程度の保育園の給食に出るゴマが使われた程度でも感作を受けた例があるそうです。

特に、ゴマアレルギーは、前述の通り、アレルギーの認識度が低いため、５大アレルゲンを検査してもすべて陰性で原因はつかめない、アレルギーとしても理解されない場合も多く、原因不明とされて悶々としている人は、ゴマのアレルゲン検査をしてもらう、または完全除去をしてみる価値があるかもしれません。というのは、ゴマの項目が入った血液検査をしたら、他が陰性でゴマのみが陽性となり、食べる量はごくわずかにしかならないゴマを完全除去したら、アトピー性皮膚炎による症状が大幅に改善した例も意外と多いそうですから…

ちなみに、アトピー性皮膚炎で悩むお子さんを対象にして、血液検査をすると、低月齢（～生後半年）でゴマが陽性を示す割合が低いそうですが、２歳を越えると、約半数にゴマアレルギーが認められたというデータがあるようです。

参考までに、大雑把ですが、
～６ヶ月未満：～０に近い
６ヶ月～１歳未満：約２０％
１歳代：約３７％
２歳代以降：約５０％強
だそうです。

そのため、世間的には、栄養が豊富、離乳期からゴマの摂取をすすめられることは多いのかもしれませんが、最低でも２歳になるまでは完全除去をした方が好ましいようです。特に、アトピー性皮膚炎がある場合には…

また、２－３歳代でもゴマの消化能力は２－３粒らしいです。さらに、先日書いたように、すりゴマの方が吸収がよいし、酸化も受けやすいので、アレルゲンとなりやすいです。市販のゴマペーストや炒りゴマも同様で、製品化され、私たちの口に入る頃には、すでに酸化がはじまっていますので、生ゴマを購入し、食べる直前に自分で炒ることがからだにやさしい食べ方となるそうです。

先ほども書いたように、ゴマのみがアレルゲンとなっている可能性も高く、それに気づかないで与えていると、他をどんなに注意をしても改善しない可能性もあるようです。母乳を通じても感作されやすいそうなので、極力、授乳中は控えた方が良いと思います。できれば、妊娠中、もしくは妊娠を望む頃からが良いのかもしれません。また、２歳までの年齢は食品を含め、多くのアレルゲンが検出される時期です。アレルギー体質の可能性がある場合、ゴマ入り加工品（クッキーなど）を食べることで、ゴマ以外のアレルゲンとなりやすい食材が入っている場合、例えば、卵・麦なども一緒にひきづって、アレルゲンとしてしまう場合があるそうです。これが一番怖いことかもしれません。アレルゲンでなかったものがアレルゲンとなったり、スコアが低かったものが一気に上昇したりするという意味ですから…

これらのことにより、ゴマ油の摂取量の増加、ゴマ健康志向による、ゴマそのものの摂取量の増加が原因と考えられるゴマアレルギーは今後もますます増加し、食物アレルギーの主役となる可能性を秘めていることはいうまでもありません。世間的には「健康食品」、アレルギー・アトピーっ子にとっては「天敵食品」といっても過言ではないのかもしれません。

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（参考）
我が家の上の子は、血液検査でスコアが出ない食物アレルギーです。しかし、３歳にしてはじめてスコアがでた項目が、このゴマでした。それもスコア２です。もちろん、それまで検査は定期的に行っていましたが、検査項目に入ったのは初めてでした。だから、それまで陽性であったのかどうかは、もう知る由もありませんが…
一応、自宅でゴマを用いた料理はしておりませんでしたが、惣菜など加工品に入っている分に関しては、あまり気にせず与えていました。食べている量はとても少なかったので…

という上記の内容の典型例が、まさしく我が家であるのかもしれません（苦笑）。