カテゴリ:T【旅行】 海外・国内 海外移住
産経新聞 2018/01/29 11:02
【ビジネスの裏側】 シンガポール航空系の格安航空会社(LCC)のスクートが昨年12月、関西国際空港から米ハワイのホノルルを結ぶ路線を開設した。 あっという間の7時間 関空-ホノルル路線で使用する機材はボーイング社の787型機で、エコノミークラスが311席、シートが広いスクートビズが18席ある。国内LCCでよく使われる通路が1本の小型機ではなく、通路が2本あり、3-3-3の座席並びの大型機だ。そのため乗ってみると、機内の圧迫感はまったくない。座席幅も約79センチと国内大手の国内線機材と同等のため、窮屈さは感じなかった。 ただLCCであるため、機内食や手荷物預け入れなどは別料金だ。座席に映画などがみられるモニターもなく、事前に自前のタブレット端末に映画や雑誌をダウンロードして持ち込むことにした。有料でのWi-fiや、自分のタブレット端末で映画が見られる「スクートTV」といったサービスも利用できる。 機内食のメニューは「ナシレマ」という鶏肉を使ったシンガポール料理や「鶏肉の蒸し煮ライス添え」などが12シンガポールドル(約千円)。これとは別に、機内食と手荷物預け入れが含まれた料金で予約した人やツアー客などは、この日はビーフカレーと飲み物が提供され、日本発路線ではこちらを利用している人が多かった。広報担当者から「量は少ないかもしれません」と聞いていたため、スナック菓子を用意していたが、自分には味も量も十分だった。 搭乗したのは就航初便ということで、ハワイ語のクイズやフラダンスのレッスン、旅行券などがあたる抽選会もあり、往路の7時間はあっという間。仕事もあったため、タブレット端末で持ち込んだ映画を見る時間も、睡眠の時間もほとんどなく現地時間の朝にホノルルへ到着した。 魅力はやっぱり安さ 同路線の通常運賃は、エコノミークラスが往復2万7600円から30万7600円。年末年始などの繁忙期はそれなりの料金にはなるが、特別価格のキャンペーンも頻繁に行われ、1月中旬から2月は、片道9900円で販売されていた。 娘と2人で初めて旅行する滋賀県草津市、自営業の女性(51)は「台湾旅行を計画していたが、同じくらいの料金でハワイツアーが出ていたのでこちらにした」と話す。スクートについては「申し込むまで知らなかった」という。 逆にホノルルから搭乗した同市在住の小学校教員の男性(31)は「もともと旅行は予定していなかったが、往復160ドルで見つけたので予約した。日本は2回目。今回大阪滞在は3日間の短い旅行だが、神戸牛を食べたい」などと話していた。同社は、同路線の利用者は日本人観光客が大半とみているが、ハワイからのインバウンド客増加にもつながるかもしれない。 選択肢のひとつ 話を聞いた約10組で「次回は別の航空会社にしたい」と答えたのは、家族旅行で利用の40代女性1人だけ。「映画が見られるモニターがあったほうがいい」というのが理由だった。 そのほかはおおむね「価格を考えると十分」と話す。年に数回友人と海外旅行を楽しむという看護師の女性は「乗り心地は問題ない。他の都市にも是非就航してほしい」と話した。 LCCの幹部からは「LCCの就航は競合ではなく、それまでその路線を利用しなかった人に利用してもらえるようになるもの」という話をよく聞く。確かに取材の中でもそういう人にも出会い、また新しい需要を創り出しているケースもすでに多くある。一方で、路線によっては既存の航空会社から乗り換える人も少なくないだろう。 個人的には、家族でのハワイ旅行の機会があれば、他の航空会社との価格差次第ではあるが、スクートを検討する。航空券代が抑えられた分で、オーシャンビューなどホテルのランクを上げたい。また今後は旅行先を決めるときに、LCC路線があるかが検討要素の一つとなるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.01.30 09:16:40
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