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Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Jan 16, 2017
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カテゴリ:カテゴリ未分類

みなさん、こんにちは。

 報道等でもご存知だと思いますが、碓氷峠でスキーバスが横転事故を起こし、13名が亡くなった事故から1年が経ちました。改めて、犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に哀悼の意を捧げます。

 この事故の経緯については、同日からの一連の書き込みにまとめてありますが、最初に予測した通り、ギヤチェンジのミスということで決着がついたようです。不適切なギヤ選択操作を行ったため、変速機側が操作を受け付けず、ギヤがニュートラル状態になってエンジンブレーキが効かなくなったのが原因ということですね(排気ブレーキもエンジンブレーキの一種なので、ニュートラルでは効きません)。

 ここで、手動変速モード付きの乗用車に乗っているかたの中には「うちのクルマにも手動変速モードはあるけど、不適切なシフトダウンをしても、そのままのギヤが維持されるだけで、ニュートラルになるなんてないけどな?」と疑問に思われるかたがいるかもしれません。でも、これはシステムが全然違うからなんですね。

 乗用車の自動変速機の多くは、ギヤ(またはベルト)はつねにかみ合っていて、伝達経路(またはプーリーの比率)を切り替えることで変速しています。だから、変速の際にニュートラルを経由する必要がありません。一方で、大型車の半自動式変速機の多くは、マニュアル車と同じギヤセットとクラッチ機構を、空気圧(または油圧や電気)で動かしているに過ぎません。ですから、ギヤを上げるか下げるかに関わらず、変速の際には、必ずニュートラルを経由する必要があるんです。

 ギヤを抜く操作をされた自動変速機のECUは、次にどっちのギヤが選ばれるのかまではわかりませんから、とりあえず、操作に忠実にギヤを抜く(ニュートラル)に入れるしかありません。で、抜いてから誤ったギヤを選択されても、そこには入れられないですから、ニュートラルのまま待機するしかないんです。もしフェイルセーフを考えるなら、その速度でも入れることができるもっとも低い段に入れ直すように制御を変えるということになるのでしょうが、大型車は基本的に「プロが仕事で乗る道具」なので、そこまでは考慮されて来なかったんです。

 ところが、当該事故は大型に不慣れなドライバーを起用してしまったため、ミスが起こった。その原因が、行き過ぎたコスト競争だったというのは、関越自動車道の「断ち割り事故」から何も変わっておりませんでした。

 で、軽井沢の事故から1年経って、何か改善されたでしょうか? 国交省は、罰則強化や運転手の訓練の義務づけなどの規則を作りましたが、監査体制が追いつかないので、相変わらず安売り競争は続いています。規則を作っても取り締まらなければ何も変わらないのは、スマホ運転や自転車の右側通行とまったく同じ図式ですね。

 ならば、何か有効な手立てはないのか? と問われれば、僕は「どうして最低運賃の法定化をしないのだろうか?」と思うわけです。以前のブログにも書いています通り、ツアーバスなんて、車両の償却費用や運行コスト(高速代や燃料費)はほとんど変わりませんから、人件費か安全管理費用を削るしか、競争の道はありません。しかし、安全管理にかかる費用や運行時間も大同小異ですから、「乗客ひとりあたりの運賃をこれ以下に下げたら経ちいかない」というレベルは計算できるわけで、それを法定最低運賃にしてしまえば、過剰な価格競争は無くなりますし、運賃は広告に必ず表示しますから、監視の目も行き届きやすくなるはずです(同業者が気づいたら通報してもいいですし)。

 しかし、それでは自由競争経済の原則に反する、と反論されるかたもいるかもしれません。でも、タクシーの運賃て、どうなってましたっけ? それと同じことをすればいいだけですし、台数が多くて走り方もバラバラなタクシーよりも、はるかに管理しやすいんじゃないでしょうか?

 「自由競争」といえば聞こえがいいですが、自由な競争は、最低限必要なルールがあり、それを守らせる審判がいて、初めて成り立つものです。以前も書きましたが、もしスタートとゴール以外に観衆も審判もいないマラソンレースがあれば、今頃マラソンの世界記録は1時間を切っているのではないかと思います(冗談ですよ)。

 ともあれ、次の事故が起きる前に、有効な手立てを打っていただけるととを期待いたします。利用されるかたは、国土交通省が「貸し切りバス事業者安全情報」を公開するようになりましたから、これを参考に、ツアーを選ぶようにすると良いかと思います。

 ただし絶望的に検索しにくいので、早急な改善を望みます。業者管理番号とキーワードで、検索エンジンで一発検索できるようにしておかないと、不便この上ありません。






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Last updated  Jan 16, 2017 10:06:05 AM
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