みなさん、こんにちは。
実はスイフト試乗会の午後がティグアンの試乗会でして、幕張から目黒(雅叙園)をはしごしました。
ティグアンはMQB(モジュールプラットフォーム)初のSUVで、ゴルフ7と同じプラットフォームとエンジンを使用しております。ので、性能的には、文句をつけるところはないですね。1.4Lエンジンはターボラグもほとんど感じることなく、1540kgのティグアンでも、軽快に加速します。試乗中、信号の先頭の左車線で止まったら、交差点の向こうに駐車車両がいて、「こりゃ青に変わったらダッシュして車線変更するしかないかな」というシーンがあったのですが、このタスクも余裕を持ってこなすことができました。
乗り心地も正常進化な感じで、硬質ながら、しっかりしたボディのおかげで不快なショックはないドイツ車テイストです。操縦性能も極めて自然で、終始ストレスフリーでした。
実は、こっちも試乗会場に1時間ぐらい早く着いてしまいまして、予約していたのはハイラインだったのですが、「Rラインなら、1枠早く乗れるクルマがありますよ」と言っていただけまして、ちょっと迷ったのですが、Rラインに乗せていただきました。ハイラインが235/55R18タイヤであるのに対し、Rラインは255/45R19という扁平タイヤを履いています。それでも、道路工事の補修跡を踏んだぐらいでは不快なゴツゴツ感などなく快適でした。ボディ剛性もさることながら、サス系のフリクションが低いのが効いている感じです。
ところで、なにゆえRラインに乗るのを「ちょっと迷った」のかと言いますと、欧州SUVのスポーツモデルって、ときどき微妙なクルマがあるんですよ(^^;。以前、A車のQなんとかのスポーツモデルに乗ったら、やたらクイックなバリアブルステアリングと硬い足と扁平タイヤがついていて、走り出して5分でうんざりしたことがあるんです(^^;。
でも思い出してみれば、ティグアンは旧モデルのRラインで奥秩父の中津川林道〜大弛峠という極悪コースを走ったことがありまして、そのときに「こんなタイヤ履いてて、なんて快適なんだ!」って驚いたことがあったのを思い出し、RラインでOKすることにしたんです。
まあそんなわけで、クルマとしては素晴らしい出来です。ただし、今の所FF車しかないんですよね。実際問題として、今時はどこのスキー場もちゃんと除雪していますから、スタッドレスタイヤを4輪につければ行けないところはありませんし、林道にしても、通行が許可されているところならトラクションコントロールだけでまず大丈夫ですから、問題ないといえば問題ないんですけど、泊まりで行ったらドカ雪が降ったとか、キャンプ場で大雨にあってぬかるみになったなどということを考えると、SUVなんだから4WDが欲しいところですよね。
それから、瑣末なことですが、460万円のクルマでも運転席の調整が手動って、ちょっとミスマッチ感はありました。個人的には、そのほうが軽くなって好ましいですけどね。そういや2400万円のNSXも手動だったな(^^;。
さて、実は今回のティグアンの目玉は、音声でナビゲーションを操作する「フォルクスワーゲン Car-Net」だそうで、だからSUVにも関わらず、試乗会場が郊外ではなく都内(しかも出入がわかりにく雅叙園)だったんです。
で、こちらの使い勝手なんですが、「う〜ん、イマイチ!」という感じでした(^^;。
目的地を設定するには、まず音声認識ボタンを押して、「オンライン施設検索」と言わなければなりません。そうすると、ナビが検索場所を尋ねて来るので、目的地の名称を喋ります。ということは、「オンライン施設検索」という言葉を覚えておく必要がありますし、目的地の名称もうろ覚えではまずいわけで、この魔法の呪文を忘れたり、言い間違えたりしたら、その段階で、手も足も出なくなっちゃうわけですね。
これが画面操作ならば、それっぽい選択肢を押してみることで正解に辿り着けますが、音声操作だと、「発音が悪いのかな?」と言い直してみたり、「言葉が違うのかな?」と、適当に考えた言葉を器械に向かって呟き続けることになるわけですね。なんかお伽話みたいで滑稽じゃないですか(^^;?「開けごま〜」みたいな。
音声操作なら、視線移動や手の移動を伴わないから安全、ということなのかもしれませんが、むしろ意識は常に「器械は正常に応答してくれるだろうか?」という方向に向かってしまい、運転がおろそかになるような気がしてなりませんでした(^^;。パネル操作なら、中断すればその状態が維持されますから、ドライバー主導で「とりあえず、今は運転に集中」ってできますけど、音声認識だと、何を返して来るかわかりませんからね。
それから、ナビ表示のインターフェースにも、ちょっと疑問が残る部分がありました。
設定したコースを確認しようとしたら、意図する画面と違うのが出てしまい、元に戻そうと思って「やめる」というボタンをタッチしたら、行き先案内をやめてしまったんですよ(^^;。これ「案内中止」とか書いてくれたら間違わなかったのに。
それから、ワンタッチで現在地表示に戻す操作も、最後までわかりませんでした。市場会場に戻ってから聞いてみたら、右上に出るクルマのマークをタッチすれば良かったのですが、クルマのマークの4面に小さな三角が着いていたので、僕はこれ「アラウンドビューモニターが作動するに違いない」って思い込んで、一度も触らなかったんですよね(^^;。これも文字で「現在地」って書いてあったらすぐに分かったのになぁ。
まあ、こういうのはオーナーになって覚えてしまえば問題ないのかもしれませんが、「直感操作」という点ではどうかと思いますし、改善する方法もあるのですから、より使いやすくしていただくことを期待します。
そうそう、最後に燃費ですが、雅叙園から山手通りに出て、芝浦ふ頭〜品川駅をぐるっと回るという一般道渋滞コースにも関わらず、11.4km/Lも走ってくれました。モード燃費カバー率は約70%ですが、走行環境を考えれば上出来と言える数値です。新型ティグアンには、ATCと呼ばれる2気筒休止システムがついていて、負荷が軽い時は中寄りの2気筒を休止させて走るのですが、これが効果を発揮しているようです。