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Feb 10, 2013
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カテゴリ:読書
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一時期話題になった本ですが、今更ながら読んでみました。どんな内容なのか非常に興味がありました。今や子供向けアニメの世界でさえ絶対正義が不在の時代、正義の敵が悪ではなくまた別の正義であるとの考え方がもはや異端視されない時代、そんな時代に、正義の話をしようというくらいですから、どんな新しい視点で、えから鱗の落ちるような正義論を聞かせてくれるのか、実に期待して読みました。冒頭から、5人の命を救う為に1人を犠牲にする事の是非、災害時の便乗値上げの是非、戦争負傷者に与えられる勲章を戦争によるPTSD患者にも与える事の是非など、具体的な事例をあげながら、その是非の判断の姿勢についてナンタラ主義者だの説明をしていきまして、やがてそれが哲学者、経済学者、あるいは政治学者の諸説いろいろの話になってきまして、カントはこう考えた、フリードマンはこう判断したなどと語っていくのですが、まあ、それはいいからわかったから、サンデル先生アンタの考えはどうなんだよ、アンタの言うこれからの正義とやらは何なんだよ、と思いつつ読み進めていくと、なんか結論が出ないうちに終わってました。おかしいなと何カ所か読み直していきますと、どうやら結論らしいものはなくて、過去の偉大な学者さんたちはこういう風に考えてましたみんなもいろいろ考えましょう、って言うことらしくて、それを知って思い出した話が、ゴミの分別を細かくやってる市で、実は回収業者は結局全部混ぜこぜにして捨てとったって事がバレたときの市の釈明「市民がゴミを分別する事に意識を持ってくれた事で十分な成果があった」っての、これギャグですか、ここ笑うところですか、チョーウケるんですけど。要するにこの本は、これからの正義の話をサンデル先生がするんじゃなくて、これからの正義をお前らみんな考えろ、これから正義について考える機会になったら十分に成果があった、という内容だったようです。なんだかなーと思ったんですが、ここで別の考えも浮かんできました。この本の内容は、元々はハーバード大学での講演が元になってます。ハーバード大学と言えばエリート中のエリートですから、講演を聴くのは、卒業してから間違いなく人の上に立つ仕事をする事になる生徒ばかりです。そんな人の上に立つ人が直面するのは、やはり苦渋の決断、冒頭にあげられた5人を命を救う為に1人を犠牲にするような判断をしなければなりません。そんな時に、自分の判断が正しかった、自分は正義であった、そう思い込む為の思想的武装が目的だったのかもしれません。だとすると、この講演が大人気だった理由がわかるような気がします。それから、この邦題はちょっとおかしいような気がします。原題は"Justice: What's the Right Thing to Do?"で、どこにも「これからの正義」なんて言葉が見当たらないです。 Justiceは正義ではなく公正と訳されるべきで、公正な判断をする為にどうするべきかみたいなタイトルなんだけど何でこうなったんですかね? ハーバードという高ブランドの講演が大人気なんで、それを思わせぶりにブームにしたくてこんなもっともらしいタイトルにしちゃったようで、うまい具合にベストセラーになって、版を重ねてハヤカワさん大儲けで、すっかり騙されたのは私ということのようです。でも書いてある内容は純粋に悪くないですよ。いろんな学者さんたちの思想がわかりやすく書いてあるので、その点は勉強になります。私もカント哲学がさっぱりでしたが、これを読んで少しだけわかったような気がしました。そういう観点で読めばなかなか名著です。でも、このテの書物にありがちな、小難しい言い回しが多いんで、そこらあたりはウザいです。2、3行読み飛ばしても2、3頁読飛ばしても全然問題ないんで、メンドーだったらそういう読み方をお勧めします。





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Last updated  Feb 11, 2013 05:12:40 AM
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