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カテゴリ:バリねた
雨音で目が覚めた。 もっとも、ハッと気づいたわけではなく、しばらくの間、夢か現かぼーっとした中まどろみの中で徐々にその音が大きくなっていったわけだけど。 時計を見ると夜中の?3時だった。 普段の生活の中で、真夜中に雨音で起きるなんてないことだけど、ここでは五感も鋭くなっているということなのか? 睡眠時間はまだまだ全然足りていないので、もちろんまた眠るつもりだけど、それでも起き上がってつい窓に近づき、ブラインドを指で少し上げて外の様子を覗かないではいられなかった。 降ってる降ってる! 真剣に降ってる! 雨季だもの、雨は覚悟してた。 それでも、ここに来てから全く降らないので、雨季がずれてきているという話を実感していたのだが、やっと雨季らしい『降り』が来たのだ。 昨日は、昼間のうちに近くの輸入食材を売っているお店でワインを買ってきて、夕食のときに飲んだ。 日頃飲んでいるオーストラリアのかなりリーズナブルなワインを見つけ、これでいいやと手に取ったのだが、値段はいつも買っている倍もするではないか! ああ、なるほど。 ここでは、『輸入ワイン』の位置づけで、意外と高い金額設定のようだ。 スーパーで地元ワインを買えばよかったとも思ったが、もう面倒なのでそれでいいやと決めた。 Jl.クンティに面した『バリデリ』は、見て回るだけでもとても楽しい。 ホントは、お惣菜系も買いたかったが、その日は食べるものが決まっていたので後ろ髪をひかれながらもやめておいた。 こんなお洒落なデリじゃあないけれど、昔、NYに行ったときに韓国人が経営しているグロサリーで惣菜を買ったことを思い出した。 惣菜を売っているのはデリ(デリカテッセン)なのか? まあ、確かグロサリーと書いてあったから、グロサリーでいいや。 お店で何かを買うことも、それが外国であれば「経験」であり「楽しみ」であり、そして少しの「冒険」であったりもする。 NYには、そういったお店が幾つもあるようだけど、とても便利に利用できた。 そんなことを懐かしく思い出していた。 そして、ここバリでの『バリデリ』は、それに比べたらかなりお洒落なようにも思えた。 (もちろん、NYのデリはもっとお洒落なお店もたくさんあるでしょうけれど、ワタシが利用したお店は、町のゼネラルストアといった雰囲気だったから) 『バリデリ』では、コーヒーを飲みながら新聞を読んだり、軽食を食べたりしてのんびりと時間を過ごしている欧米人を見かける。 長逗留している人の、のんびりする場所といった感じのようだ。 その日の夕食は、宿のパッケージに付いていた。 そこは3泊4日の滞在だったが、1回夕食が付くというセットプランだった。 自分の部屋で料理を作ってもらうというのは、とても非日常で贅沢な感じがするのだが、そういうときは、なんとも大人な振る舞いが出来ないので困る。 娘の彼氏を初めて家に招きいれたときの父親の気分とでも言うのか? TV付けたり、チャンネル変えたり、新聞開いてみたり(読んではいない)・・・。 ただ、それも毎朝作りに来てくれるわけだから、スマートな振る舞いはできないまでも「慣れ」てはきた。 何事も経験ということか!? さて、夕食の用意ができたようだ。 用意しておいたワインもテーブルの上に乗った。 日本でもどこでも、外で美味しいものを食べるのは、それ自体楽しいことだけど、「帰る」ということが後に控えているのがなんとも現実に引き戻される行為となる。 それがないだけでも、かなりの非日常を味わえたひとときだった。
夕べの食事を思い出しながら、外を見ていたワタシは、我に返ってブラインドをもとに戻し、再び眠りにつくことにした。 明日は、と言ってももう今日のことだが、午前中は部屋でトラディショナルマッサージを受ける予定にしていた。 ちょうどいい。 この雨が上がらなくても何の問題もない。 雨音は弱まることなく続いていたが、すぐに気にならなくなった。らしい。 まぶたが閉じるまで、そう時間は掛からなかったようだ。
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