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カテゴリ:日本映画
本谷有希子原作、ということで何とはなしに観にいく。
両親の交通事故という凄惨な現場から物語は始まる。そして葬儀のなか、4年ぶりに田舎に帰ってきた佐藤江梨子演じる澄伽。何も知らない待子は普通に迎えるが、宍道も清深も澄伽を腫れ物にさわるような扱いをする。そして澄伽が訪れたことで、平和な生活が一変する。。。 しかし、唖然。まず登場人物の性格、特徴が異常すぎるほど尖っている。澄伽は「自分は女優!」と思っている激しい勘違い女。清深は根暗だけど天才的なホラー漫画の才能を持っている。そんな姉妹の異母兄、宍道は澄伽への鬱憤を待子にぶちまける。それは4年前の事件が発端で。そんな事情は露ほども知らず、宍道と結婚相談所で出会い結婚した待子は、孤児院出身のどっか抜けてるお人好し。 こんな登場人物たちの行動も、すべてが誇張されていて面白い。清深が風呂に浸からせられたり、待子が箒をもって猫を追い掛け回したり。そしてやっぱり澄伽が一番。フレンチトーストや蕎麦、赤い封筒に便箋、そして借金。よくもまあ、これだけ揃えたものだ。 やっぱりそれだけ原作がしっかりしているのだろう。また、その原作を見事に映画にした監督、そして演じきった役者たち。 人間の愚かさ、なんていう高尚なものじゃなく、捻じ曲がった自意識過剰我儘姉と、そんな姉に怯えながらも欲求を制御できない妹。そんな二人に気を遣いまくりの兄と、事情を把握しようとしない(できない?)兄嫁。こんな人たちが繰り広げる家庭内の出来事をさらに際立たせる物語、って言っていいのか? そんな原作を見事に映像化した、吉田大八監督も素晴らしい。所々にあらわれる、実験と思えるような映像と、ラストあたりの漫画と実写の混合。 ラストが原作と舞台と映画とで、全部違うらしいから、そっちにも興味津々。 公式サイトはこちら 7/29 渋谷シネマライズ ↑DVD ↑原作 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.03.23 16:00:25
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