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カテゴリ:日本映画
新潟県小千谷市片貝町の実話を元にした物語。 白血病で入院していた華が退院すると、兄の太郎は引きこもりになっていた。祭りの打ち上げ花火を久しぶりに親友と満喫した華は、次はおにいちゃんを引きこもりからなんとかしようとする。 最初はまったく取り付くしまもない様子だったが、華が無理やり部屋の本棚を倒して、買い物や成年会、アルバイトに駆り出す。最初は無理、と言っていた太郎も、華と一緒に自転車で行く新聞配達のアルバイトが何とか続くようになり、華のすすめで町の成年会にも入り、一緒に花火を上げることになった。 自宅療養を続けていた華だったが、お昼はお弁当を持って学校へ行き、友達と一緒に元気よく過ごしていた。しかし秋口の雨の日の朝、新聞配達に行ったおにいちゃんを待っているときに倒れてしまう。怖れていた白血病の再発、そして再び入院生活になる。 今度はお見舞いにも頻繁に来る太郎だったが、華の体は病気にやられて、年を越せないかもしれない、という医師の無常な宣告が下る。クリスマスプレゼントに華が欲しがっていた携帯電話を贈った太郎、家に帰ったら早速「ありがとう」のメールが入ってくる。しかし年末の日、華は新年を迎えることなく息を引き取ってしまった。 葬儀も途中で退席してしまい、バイトにもいかず気の抜けたような日々を送る太郎だったが、成人の日になぜか携帯が鳴る。なんと華が生前に準備していたビデオメールが届いたのだ。メールを聞いては涙を流す太郎だったが、繰り返し華の最期のメッセージをきくうちに、ある決意を固める。 せっかく仲間になった成年会も辞め、ホームセンターのバイトを増やして、花火工場でも寸暇を惜しんで働く。それもこれも、華への追悼花火を上げるためだった。 成年会に名前が入っていないことを問われて、初めて両親に華のために花火を上げる決意を明かして、太郎はますます華のための花火づくりに集中する。 そして祭りの当日、いよいよ華への追悼花火が上がる。。。 素直に涙が出てきました。特に成人の日のメールのところ、思いっきり製作者の狙いそのまんまなんだろうけど、自然と涙が溢れてきましたね。それまで華の元気な姿をたくさん見ているだけに、数えてみるとほんの4ヶ月くらいしかいなかったんだなあ、とそのあまりの短さ、そして運命の残酷さに心が痛みます。 役者の台詞や演技も自然な感じですんなりと映画の世界に入っていけました。大杉漣と宮崎美子の両親の演技も上手だったし、谷村美月の華、そして高良健吾の太郎も少しずつ引きこもりから出てくるところなど役柄そのままという感じで、一家がとてもいい雰囲気でした。 『世界の中心で愛を叫ぶ』の長澤まさみ以来、白血病役の女優は頭を坊主にするようになったのか、谷村美月の、しかも街中での坊主姿も衝撃的です。新聞配達先のおばあちゃんや、新築の家、新聞配達の二人の写真、一人欠けた食卓など、ちょっとした演出も気が利いていました。 元ネタがいいといってしまえばそれまでですが、その良さをストレートに伝えてくれたスタッフやキャストに感謝です。 公式サイトはこちら。 8/30 有楽町よみうりホール お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.09.16 23:37:49
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