テーマ:最近観た映画。(38855)
カテゴリ:香港映画
人格を“見る”ことができるバン(劉青雲)は、かつて警察で難事件をいくつも解決してきたが、今は精神を病んでいるとして警察を辞めている。 行方不明になった刑事の拳銃が使われた強盗事件を捜査していたホー刑事(アンディ・オン安志杰)は、バンに捜査協力を求めてバンの不思議な能力に振り回されながら、事件の核心へと迫る。。。 バンの見ている人が幻覚なのか実在の人物なのか、最初は分からずに混乱していました。コンビニの少女など、どこまでが本物だったのか見終わった後も自信がありません。傍目からは幻覚相手にうわごとを言っているようにしか見えず、精神科医からも大量の薬を処方されていますが、本人はいたって真面目です。だってバンには“見える”のだから。そして犯人や被害者の行動を追体験することで事件を自分の脳内で再現するという特殊能力も持っています。 消えたウォン刑事と一緒にいたコウ刑事(ラム・カートン林家棟)を見たときに、バンは7人の人格を見て、これは何かある、と直感的に悟りますが、コウは冷静な女の人格がコントロールしているらしくなかなか尻尾を出しません。ホーもバンの幻覚上の妻と一緒に食事をしたり、捜査で山林に置き去りにされたり、バンの別れた現実の妻に会ったりして、徐々にバンへの信頼が揺らいでいきます。 ホーは警察の身分証を勝手に持っていかれて拳銃も渡してしまい、バンの運転する車に轢かれそうになるにおよんで、いよいよバンを見限りますが、その時のホーと恋人との会話が、コウが山林で言っていたこととまったく同じでぞっと背筋が寒くなりました。まるでコウがホーに乗り移ったみたいです。 一方、自ら山林の土中に埋まってコウの犯罪を“見た”バンは、ホーと連絡を取りつつコウを追い詰めます。そして鏡の部屋での銃撃戦、どれが本物なのかわからず鏡が次々と割れていく様子はこの映画のハイライト、またひとつ、ジョニー・トーの味がある銃撃シーンができました。 最後にホー刑事が、自分の失態を隠すために拳銃の指紋を拭きながら、あーでもないこうでもない、とそれぞれ入れ替える場面は、滑稽さとともに底知れない無気味さがありました。 公式サイトはこちら。 2/27 新宿K'sシネマ 新宿武蔵野館にてイップ・マン序章が絶賛公開中! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.03.05 11:46:42
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