テーマ:日本語しってるつもり?(7)
カテゴリ:遊女asomeの「嗜み」
め(牝・雌・女・妻)のお話です。
現代の女(おんな)という字は、 「人類をニ大別して、子供を産む能力のある方」 「成熟して性的特徴を表した女性」 (新潮国語辞典 現代語・古語) という二つの意味合いに使っています。 生物学的な意味合いでの「女」、ジェンダーを含む意味合いでの成熟した「女」 身分のある人には用いないこの「女」という文字は、「婦人がつつましくひざまずいている形で、両乳をつけると母となり、髪飾りをつけると妻となる」(字訓)とあります。微妙に中国の風習や女性観を表しているような気がしますね。「奴め!」という「め」は、「女」から来ているそうです。 さて、日本の音では「め」というと 目(メ)芽(メ)愛(メ)女(メ)などが挙げられます。天(アメ)雨(アメ)などにもメの音が使われますね。 日本語の音では「女」は、生まれ育つ命、その命をはぐくむものを表すのではないかと思われます。「女」(メ)の音には、春、いっせいに芽吹くときのあの萌たつような力が含まれているのです。 言葉には歴史が刻まれています。日本語は中国から漢字が取り入れられたときに、中国の文化や慣習が同時に入ってき、また、明治以降には、それまでに無かった英語圏の概念が、翻訳語として造語されました。私達が今使っている日本語は、このように歴史とともに様々な他国の文化が交じり合って変化してきました。 しかし、言葉の真の意味合いは、その一音一音の音に含まれています。 この音の意味に、あるときふと気が付くと、そのときから、まるで言葉が生まれ変わったように、生き生きと輝きだす気がするのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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