カテゴリ:「ジェンダーと哲学」の本
なんと77歳で小説家デビューという異色の作品です。
帯には「岡本太郎に捧げる究極の愛の物語り」とあるように、主人公の笙子は敏子さんを、謙介は太郎さんを彷彿とさせ、二人の愛の営みはこのようだったんだろうなと、二人のイメージが重なる小説です。 二人の愛し合うシーンは、官能的であり、非常に感動的です。男と女はこうでなくっちゃと、心底共感できるそんな愛の営み。女性として本当の幸せを知っているこの小説の主人公笙子は、とても魅力的です。まるで母のようでもあり、可愛い女であり、才女でもあり、心も体も豊かな女性として最高の生き方をしているんでしょうね。また、岡本太郎さんは、まさにこんな人だったんだろうなと、彼の言葉、そして、行為、すべて納得できます。とっても魅力的。生きているうちに一度は出会ってみたい男性です。通常、男と女の関係って、ほとんどが悲劇的で、すれ違ったり、うまくいきそうでいかないもどかしい、そういった物語りが結構多いんだけど、この小説の男と女は、真の意味で豊かな生身の男と女の物語りなので、本当にその愛おしい体験をともにできる感じなんですね。なかなかほかでは味わえないそんな小説です。 77歳にしてこのような小説をかけるなんて、素晴らしいですね。50年岡本太郎さんに連れ添い、公私共々のパートナーであり続けた、そういった鍛え上げられた豊かな人、男も女も本当に出会ったらこれほどまでにお互いが輝いて生きていけるんだなという希望が持てます。男と女の無限で創造的な関係性を体験するってこと、それは本来人間の生きる意味ともなる素晴らしい経験だと思います。命をはぐくむ、男をいとおしむ女の豊かな感性、これからも女の感性を磨きたいなと心から思います。読む人を幸せにするそんな小説でした。ぜひ皆様もお読みになってみてくださいね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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