『捨ててこそ青春だ』 第9章 居昌高校職業選択十カ条
捨ててこそ青春だ9章 居昌(コチャン)高校職業選択の十カ条歳をかさねると保守的になる。多数派と迎合した生き方がしみつく。危険をおかすやつを愚かな人間だとかんがえる。自分の身内にだけはそんな愚かな人間はいてほしくない。世間体が悪い。特に子供には安定志向を押しつけたがる。公務員になれ、大企業にいけ、資格を取って師士になれ。そうしないと負け組みになる。そういって育てたら子供はしあわせになるだろうか。君たちが親になったらこんな馬鹿なことだけは強要しないでほしい。韓国の高校にこういう職業選択十カ条がある。スジンさんにきいてみたが彼女もよくしっていた。以前韓国のテレビでも紹介されたらしい。居昌(コチャン)高校職業選択の十カ条1,給料が少ないほうを選べ2,自分が望むところではなく、自分が必要とされているところを選べ3,昇進のチャンスがほとんどないところを選べ4,すべて条件がそろっているところは避けて、イチからはじめねばならない荒れ地を 選べ5,先を争って人が集まるところには絶対行くな。だれも行かないところに行け6,将来性がまったくないと思われるところに行け7,社会的な尊敬が期待できないところに行け8,まんなかでなく、はじに行け9,両親や配偶者、婚約者が命がけで反対するところならまちがいなし。迷わず行け10,王冠ではなく断頭台が待つところに行けどうだろう。君たちの親がかんがえていることと正反対であろう。私はこれをかんがえた人は世の中の真理を卓見した人物だとわかる。『バガヴァッド・ギーター』に「あらゆる生物が夜としている時は、自制の賢者にとって昼である。あらゆる生物が昼としている時は内観する聖者にとって夜である」【バガヴァッド・ギーター第2章69節】とある。またこれと同じことをスティーブ・ジョブズは「Think Different」、「Stay Hungry, Stay Foolish」といっている。英語でYou are different といえば「あなたは変人だよ」という意味になる。この職業選択十カ条をかんがえた人物は自制の賢者であり内観する聖者といえる。これらはすべからく多数派との迎合を否定しているからである。たとえば君は三度の飯よりも野球が好きだとする。それで生活できたらいうことはない。親はそれならメジャーリーグにはいれという。しかしメジャーにいけば試合に出られるだろうか。メジャーはきびしくなかなかレギュラーにはしてもらえない。3Aなら毎日試合に出られる。給料はメジャーがいいに決まっている。しかし試合に出ないでベンチにすわっているだけの人生である。君は野球をしたいんだろう。試合に出るほうがたのしいに決まっている。給料が安くても試合に出てしあわせを感じる3Aの人生をあゆめといいたい。目を閉じれば、人生はよくわかる。開ければ、見るものすべてを誤解してしまう。偉くなるのは大変だが、なんとかなるさ。いずれにせよ、僕には関係ないけどね。【Strawberry Fields Forever Beatles】私の友人の公務員がこういったことがあった。「公務員はらくだよ。休まずいくだけで、共済年金はもらえるし。毎日3時に事業所の風呂にはいって夕方5時には帰宅する。宝くじがあったたようなものだよ」私はいいたい、宝くじに当たった者の末路をしっているのかと。みな二匹目のドジョウを狙い散財してしまっている。ろくな生き方をしていない。そんなものが当たると人生くるってしまうことが多い。破綻してしまうことが多い。『ドラゴンクエスト』の作曲家すぎやまこういち氏は「音楽は天から与えられた職業、天職です」といってのけた。しかし本当の天職に出あえる人は稀である。仕事の目標を会社に設定すると判然としなくなる。会社は無機物の組織だからである。そこに親近感はもてない。どんな会社にはいりたいか、どんな仕事がしたいかに焦点をあてない方法もある。あんな人になりたいとかんがえてみてはどうだろうか。たとえば「釣りバカ日誌」の浜崎伝助。浜ちゃんは釣りをするために建設会社ではたらいている。釣りができるなら職場が建設会社であろうが、銀行であろうが彼には関係ない。映画の話ではあるがじつにたのしそうに人生をおくっている。そういう人になりたいとおもってみてはどうだろう。会社や職種などさほど気にしないで仕事につくことができる。趣味のためにはたらく。それがやがて「つとめ」(次章以降に説明)という自己実現のためにはたらくようになれば、この本の趣旨に合致する。「ヴェーダ」の教えにしたがう人生がおとずれる。「活動(カルマ)の中に無活動(アカルマ)を見て、無活動の中に活動を見る人は、たとえどのような種類の仕事をしていても、相対世界を超越した覚者である」【バガヴァッド・ギーター第4章18節】「あ~あ、思いどおりにいかなくて本当によかった」【京都のあるお寺に書いてあった標語】本当の勝ち組とは居昌(コチャン)高校職業選択の十カ条にしたがった人間である。多数派に迎合しない知識をもった賢者である。このような生き方をしないと自己実現をなしとげる機会はない。「物理的であれ、なんであれ、いつも自分のやることに制限をしてしまうと、それはあなたの仕事や人生にも広がってしまう。限界などない。停滞期があるだけだ。そこに留まってはいけない。それを超えていくのだ」【ブルース・リー】「私たちの望むものは、生きる苦しみではなく 私たちの望むものは、生きる喜びなのだ 今ある不幸せに留まってはいけない まだ見ぬ幸せに今飛び立つのだ 私たちの望むものは、繰り返すことではなく 私たちの望むものは、私であり続けることなのだ」【私たちの望むものは 岡林信康】