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カテゴリ:地球人スピリット
「憲法九条を世界遺産に」 太田光 & 中沢新一 2006/08 集英社 新書 170p 太田光と中沢新一という組合せは、必ずしも突拍子もないような奇妙な組合せではない。かつて95年当時、オウム教が世間の噂になった頃、月刊「宝島」で爆笑問題は誌上漫才ともいうものを連載しており、当時から、タブー領域を作らず、積極的は発言を続けていた。当時は、まだまだテレビ出演もほぼなかった(と思う)ので、ある意味言いたい放題を言えた時期であっただろう。その批評眼というか時事ネタは当時から光っていた。 中沢新一は言わずと知れた現代日本の有数の論客であるが、彼はある角度からオウム教に親近の情を示していて、冷笑された人のひとりだった。彼もまた、当時の月刊「宝島」にもちょくちょく顔を出していたと思う。だから、この二人は漫才師と思想家という、対極にいたような存在でありながら、実はすぐそばの商売仲間だった、と言えるのではないだろうか。 この対談では、言葉で飯を食う職業人として中沢は、太田光のセンスに一枚も二枚も座蒲団を差し出す。ある意味、かつての「みんなで渡ればこわくない」のビートたけしに匹敵する鋭いセンスを見せている。憲法九条を世界遺産に、というキャッチフレーズは、まず今のところはジョークだが、そのいわんとするところはズバリ分かるから、素晴らしい。 「憲法九条を世界遺産に」は、「爆笑問題・太田光にノーベル平和賞」と同じくらい空想的だが、将来的にはまんざら真実味がないとばかりも言えない。これだけの軽いのりで、みんなで憲法論議をしていけるなら、とてもよいことだと思う。 私は、憲法は九条精神を残した形で、自主憲法をつくるべきだと思っている。しかし、現在の政治情勢のパワー・オブ・バランスの中では、まず無理だろう。自民党も、民主党も、いずれも自主憲法を作ろうと言っているのではなかっただろうか。だとすると、その時点で9条がどうなるか関心があるが、安倍晋三自民党、小沢一郎民主党では、九条は残らないのではないかな。 だから、むしろ,私はここで一気に自主憲法を作ろうという動きにはできるだけブレーキをかけて、ゆっくりゆっくり時間をかけて論議し、政治的タイミングで九条が残るような時に自主憲法を作れたらいいなぁ、と思う。たぶん、そのためには10年くらいゆっくり時間をかけて議論を進めてほうがいいのだろうと思う。 この本は、「すばる」誌の企画で3回連続で対談したものが一度雑誌に掲載され、一冊の本とされたものである。新書本企画としては、2006年度の何かの賞をあげてもいいのではないだろうか。ひょっとすると、「ウェブ進化論」「Web2.0」「mixi」などをはるかにぶっちぎって「憲法九条を世界遺産に」が流行語大賞になったら、面白いなぁ。少なくとも何かの特別賞は取りそうだな。 ------------------- 2007年3月18日に再読。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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