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カテゴリ:アガルタ
「西蔵(せいぞう)回廊」 カイラス巡礼 夢枕獏・文 佐藤秀明・写真 1994/4 東京書籍 石濱裕美子の「図説チベット歴史紀行」や、フランソワーズ・ポマレの「チベット」にしても、コンパクトながら美しいカラー写真と素晴らしい文章で、何度も繰り返して読みたくなる。実は、この二冊とも以前に読んだ本なのだが、後髪ひかれる思いでまた、借りて来て読んでいる。そして見ている。文章だけなら、ネット上に記録しておくこともできないこともないが、写真集は本そのものをみないと、感動は味わえない。そして繰り返して読んでみると、まったく新しい本を読んでいるようで、次から次へと新しい発見がある。特に、ヒマラヤの山々や、そこに作られた立体マンダラとしての寺院の数々、その内部に収められた美術品の数々には、圧倒的に目を奪われる。見るたびに新しい意味を発し始める。 何も、急いで読み進めているから、読み落とし、見落としが多い、というだけもあるまい。仮にそうだったとしたら、単に不注意で見落とした、ということではなく、読み手としての自分の感受性が、より新しくなっているから、新しい見方ができるようになるのだろう、と考えることにしよう。 カイラス山を巡礼することのできる人は、いくらチベット人でもそう多くないだろう。そして、それを何度も巡礼できる人は、毎回同じものを見ているわけではあるまい。前回、前々回とは、まったく違うカイラスと出会うことになるだろう。 この「西蔵回廊 カイラス巡礼」は小説家と写真家のコラボレーションだ。今のところ、正直言うと小説家の言説はすこし小うるさい。今の私は、圧倒的に、この写真群に目を奪われる。「チベット マンダラの国」、「カラー版 トレッキングinヒマラヤ」、「ヒマラヤンブルー」、「シャングリラ 東チベットの仙境へ」、などなどチベットやヒマラヤのカラー写真集は、いずれも素晴らしい。多分これからも何度も繰り返し、ページをめくることになるだろう。 その中にあって、写真家としての佐藤秀明の目は、他の写真家たちの目とちょっと違う。ジャーナリステックなアリバイ証明用の写真でもないし、観光地案内のような美しいところを強調するという写真でもない。チベットにいながら、チベットにいる人々の、むしろ心の中を写し取ろうとしているような感じがする。そして、ここでこうしてこの本のページをめくっている、この私の心の中を見せられているような不思議な感覚を味わう。 夢枕獏の文章も、実はさすが、というしかない。 人は、何度も何度も、荒野の中に足を踏み出していく生き物であるのか。 ああ--------- 不可思議。 不可思議。 人の心の、とりとめない混沌の、妖しきチベットの、オンマニペメフンの呪文の、恋の、カオスの、なんという不可思議。p129
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Last updated
2009.03.31 12:29:21
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