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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年08月09日
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カテゴリ:ジャズ

ガーランドのブルージーさを見直す


 レッド・ガーランドは1923年テキサス州ダラス生まれのジャズ・ピアニスト。1950年代半ばにマイルス・ディヴィスのグループに入ってから本格的な活躍を始め、途中、十数年間の引退期間もあったものの、後に復帰。1984年に亡くなるまでの生涯で、リーダー作はもちろんのこと、とりわけ50年代半ばから60年代初頭にかけて、数多くの有名盤に参加している。

 そんなガーランドのピアノ演奏は、どこを取ってもすぐに彼とわかる個性があると言われる。要するに、一言で表現するならば、「金太郎飴」。これを悪いほうに解釈すると、「ガーランドは1~2枚聴けば十分」とか、「どれを聴いても同じで退屈」とかいう結論に達してしまう。

 鍵盤の上をコロコロと転がるような音色、ブロックコードの多用、サービス精神旺盛な演奏…。こうした「個性」に耳を奪われ過ぎると、きっとガーランドのピアノは退屈になってしまうのだと思う。しかし、聴く側ももう少し開き直ってみてはどうだろう。

 確かに、ガーランドの演奏は、どこを切っても同じ顔が出てくる「金太郎飴」のようだ。本人も意識して自我流を通したようであり、それゆえの引退期間を持った。けれども、落ち着いて考えてみたい。「金太郎飴」のどこが悪いものか。どこを切っても同じ顔が出てくるからこそ金太郎飴であって、もしも、切った場所によって顔が異なっているのだったら、一本の長い飴である意味もなければ、必然性もない。いろんな顔の飴が欲しいのなら、最初からバラバラになっている違う飴をいくつも買えばいい。つまるところ、金太郎飴の楽しみというのは、同じ顔が長く続いていることにこそある。

 今まで何枚かのガーランドのアルバムを聴いた中で、リーダー作(トリオ作)の中で、本作『レッド・イン・ブルースヴィル(Red in Bluesville)』は結構気に入っているうちの一枚だ。収録曲のうち、2曲目などは少々間延びする曲もあるが、1.「ヒーズ・ア・リアル・ゴーン・ガイ」、3.「シカゴ特捜隊Mのテーマ」、6.「セントルイス・ブルース」あたりは非常に落ち着いて聴くことができる。その理由は、テクニックや演奏スタイル云々というよりは、ひとえにガーランドのブルージーな感覚がきっちり演奏に反映されているところにあるのだと思う。

 テクニックに目を奪われすぎると、確かに「金太郎飴」が退屈になる可能性はある。けれどもこうしたブルージーな感覚に心地よく身を任せ、ガーランドのピアノに酔うのもいい。その時に「金太郎飴のどこが悪いのだ」と開き直って聴けばよい。

 こんな聴き方をしながらなら、ガーランドのアルバムを全部聴いてみようかという気になる。全アルバム聴くのは長い道のりだろうけれど、筆者にとって、ガーランドはそれをやってみたいと思わせてくれる演奏家の一人だ。自然に聴くことのできる「金太郎飴」的なブルージーさに、きっと飽きることなく聴けそうな気がする。


[収録曲]
1. He's A Real Gone Guy
2. See See Rider
3. M Squad
4. That's Your Red Wagon
5. Trouble In Mind
6. St. Louis Blues

Red Garland (p), Sam Jones (b), Art Taylor (ds)

録音:1959.4.17.





 
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Last updated  2013年02月09日 10時33分02秒
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