ハート 『べべ・ル・ストレンジ(Bébé Le Strange)』
ハードコアなハート作品 1976年にメジャー・デビューしたバンド、ハート(Heart)の初期のアルバムの中で最もハードコアなロック作品と言えるのが、本盤『べべ・ル・ストレンジ(Bébé Le Strange )』だろう。1979年にレコーディング、翌80年初頭にリリースされ、1970年代のハートの活動の締めくくりとなったスタジオ第5作である(ちなみに、同年末には初のベスト盤もリリースされた)。 過去のハートに関する記事にも書いたことであるけれども、このハートというバンドは、単なる“女性版ツェッペリン”などではなかった。レッド・ツェッペリンの音楽を消化し、アンとナンシーの姉妹を中心に自分流のものとしたという方が正確だと考える。つまり、音楽的には、ツェッペリンの模倣やコピーではなく、ツェッペリンを踏まえて、次の時代ないしは次のステップを体現しようとしていたと言っていいように思う。 そんなハートの作品のうち、本盤『べべ・ル・ストレンジ』は、とくにハード・ロックな音作りが印象的である。本盤の聴きどころと言えそうな曲をいくつか挙げておこう。オープニング・ナンバーの1.「べべ・ル・ストレンジ」は、派手というよりは真面目にハードコアな、このバンドらしさが体現されたナンバー。5.「ロッキン・ヘブン・ダウン」とあわせて、このハートというバンドがレッド・ツェッペリンをいかに血肉と化して消化していたのかががよくわかる。 アルバム後半では、シングルにもなった6.「イブン・イット・アップ」が注目の本領発揮曲。その一方、真摯なロック一辺倒ではないのもハートの魅力だと言える。バラード調の10.「スウィート・ダーリン」では、曲のよさもさることながら、アンの圧倒的なヴォーカルが際立つ。また、ナンシーの存在感を感じられる部分も多彩さにつながっている。アルバム前半には、彼女のギター独奏の小品3.「シルバー・ウィールズ」が収められている。また、アルバム後半では、ヴォーカルのみならずほとんどの楽器を担当して、ナンシーがマルチプレイヤーぶりを発揮した8.「レイズド・オン・ユー」が収められている。[収録曲]1. Bébé le Strange2. Down on Me3. Silver Wheels4. Break5. Rockin Heaven Down6. Even It Up7. Strange Night8. Raised on You9. Pilot10. Sweet Darlin'1980年リリース 【輸入盤CD】Heart / Bebe Le Strange (ハート) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓