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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年10月25日
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ハードロック・バンド、ツェッペリンの真骨頂


 アキレス(アキレウス)はギリシア神話に登場する英雄。不死の体を手に入れたが、かかとの部分だけはそうではなく、最後はそこを射られて死んでしまい、"アキレス腱"の名の由来となった人物である。ところが、この曲では"アキレス"という単語すら登場しない(以前はそう聞き取れる部分があるという説もあったが、現在では違うとされる)。それもそのはず、この曲の出来具合を聴いてロバート・プラントが興奮し、そのはずみで転んで、交通事故で負ったかかとの傷口が再び開いてしまい、これにちなんで"アキレス"という題名が付けられたという、本当か嘘かわからないようなエピソードがある。

 そのようなわけで、タイトルはいい加減なものだったかもしれないが、内容はまったくもってそうではない。この曲は、70年代のハードロックという音楽が辿りついた一つの大きな到達点であり、ハードロック・バンドという側面から見たレッド・ツェッペリンの真骨頂と言える。「アキレス最後の戦い」は10分半近い長尺である。そのせいか、あるいは、収録アルバム『プレゼンス』もツェッペリンのハード・ロック性が色濃く出ている(出すぎている?)せいだろうか、早い時期のツェッペリンの有名曲(例えば、「胸いっぱいの愛を」や「ロックン・ロール」)に比べ、この曲は、名前ばかりが知られ、実際に聴かれる率はあまり高くないように思われる。本曲所収のアルバム『プレゼンス』の売り上げも、『レッド・ツェッペリンI』や『同II』、『同IV』など、上記有名曲の収められた盤に比べると低い数字しか残されていない。

 上で「ハードロックの到達点」と述べたが、レッド・ツェッペリンは単なるハードロック・バンドではなかった。ハードロック・バンドでありながら、いろいろな音楽を吸収した上で、自分たちのサウンドを示していった。だからこそ、アコースティック寄りの音を提示することもあれば、実験的な音を盛り込んだ曲を出してくることもあった。その意味では、レッド・ツェッペリンとは、ハードロックの本流と言えるグループではなかったのかもしれない。彼らはハードロックのサウンド自体をも変えていこうと進化を志向していたように思える。そうした経緯の中で出てきたのが1976年のアルバム『プレゼンス』であり、それを象徴する曲が「アキレス最後の戦い」だった。つまり、ハードロック的な側面を漫然と繰り返して新曲を提示していたわけではなく、新しいものを求めてハードロックをやっていた。その成果の一つがドラマチックな長編の本曲ということになる。

 この曲でのジミー・ペイジのギターのフレーズは鋭く印象的である。ギター・ソロはさほど複雑なプレイをしていないにもかかわらず、幻想的で雄大に響く。そして、何よりも曲全体に重さと分厚さが感じられる。この重みと厚みはジョン・ボーナムのドラムに負う部分が非常に大きい。したがって、彼のドラムなしには成立しないサウンドで、つまりは、ツェッペリンというグループでしか為し得ないものであったと言えるだろう。この厚みとバンド全体の息の合い方が曲全体をびしっと締めていて、緊迫感と雄大さを演出することにつながっている。

 これを聴かずしてツェッペリンのハードロック・バンドとしての偉大さは語れない、と言えば大袈裟であろうか。


[収録アルバム]
Led Zeppelin / Presence (1976年)




 
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Last updated  2016年02月04日 09時48分10秒
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