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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2010年01月30日
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より玄人受けしそうなロバ・ジョン・カヴァー・アルバム


 エリック・クラプトンによるロバート・ジョンソンのカヴァー・アルバム『ミー・アンド・Mr.ジョンソン』に続き、今回も同じくロバ・ジョン・カヴァー集。けれども、今回の演奏者はクラプトンと一味異なる。ピーター・グリーンって誰?という人もいるかもしれないが、彼はフリートウッド・マックの創設メンバーにして、ブルース・ロック愛好者にとっては避けて通れないビッグ・ネームである。ブルース・ロックが確立された時代のギタリストとしては、クラプトンと同じぐらいか、あるいはそれ以上に重要な人物なのだが、その後の経歴は全く異なり、日本ではむしろ忘れ去られた存在に等しい。

 ピーター・グリーンは1946年、ロンドン生まれ。1960年代末にフリートウッド・マック(当初は“ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック”と名乗っていた)のリーダーとして、イギリスのブルース・ロック・シーンを牽引した。けれども、ドラッグに蝕まれて1970年に業界から姿を消した。その後は引退・復帰を繰り返した。70年代末~80年代に一時復帰、それからは精神的な病を抱えた後、90年代後半に復帰し、2003年にかけてアルバムをリリースしている。

 本作『ザ・ロバート・ジョンソン・ソングブック(The Robert Johnson Songbook)』は、1998年に発表(録音は前年の97年から開始)されたもので、90年代後半、ピーター・グリーンの2度目の復帰直後の時期に当たる。スプリンター・グループとしては2枚目のアルバムで、このグループとしての活動は2004年まで続くことになる。タイトルからもわかるように、本盤に収められた楽曲は全曲が伝説的ブルースマン、ロバート・ジョンソンのカヴァーである。ちなみに、前年のアルバム(スプリンター・グループの1枚目)でもロバ・ジョンの曲(3曲のみ)を演っており、数年後には残るロバ・ジョンの曲を演奏したアルバムを作って“全曲(29曲)カヴァー”を成し遂げている。

 60年代後半の、ある種“弾きまくる”ピーター・グリーンをイメージしていると肩透かしを食らう。復帰後の彼の演奏は、むしろ、枯れた味わいとでも言うべき雰囲気で、ヴォーカルの擦れた声と併せて渋いギター演奏が哀愁を呼び起こす。余談ながら、若い頃からすると見る影もないほど変貌してしまった容姿がその哀愁を増幅させる(ショックを受けたくない人はあまり写真を見ない方がいいかもしれない)。本作は全体としてはアコースティックに強く傾いた音であるが、ブルース解釈のフィーリングはかつてと変わらない。それどころか、経験と年齢を重ねた分、重みがあるようにさえ感じられる。

 先の『ミー・アンド・Mr.ジョンソン』の項では、このクラプトンのアルバムがロバート・ジョンソンへの入口となると述べた。逆に、ピーター・グリーンの本作はロバ・ジョンの原曲を知る人にとって、より一層楽しめる内容だと思う。戦前ブルースのあれらの楽曲を現代的に解釈すればこうなるという一つの形(特にハーモニカとピアノの使用が重要なアクセントになっている)を提示している。それでいて、原曲のブルース感覚は全く損なわれていない。比較的、原曲からイメージしやすい例を挙げれば、10.「通り道に石がある」や13.「心やさしい女のブルーズ」といったあたりからは、ピーター・グリーンの身体にブルースが染みついたものだということが感じ取られる。

 なお、このアルバムにはもう一つ聴きどころがある。アルバムを締めくくる最後の曲(16.「スウィート・ホーム・シカゴ」)では、元フリー~バッド・カンパニーのポール・ロジャースをゲスト・ヴォーカリストに迎えている。ロジャースもまた、マディ・ウォーターのカヴァーを出すなどブルースに傾倒した人物で、このヴォーカルも見事。(各曲は短いとはいえ)全16曲の最後の曲だが、ここも聴きどころなので、お見逃しなく。



[収録曲]

1. When You Got a Good Friend
2. 32-20 Blues
3. Phonograph Blues
4. Last Fair Deal Gone Down
5. Stop Breakin' Down Blues
6. Terraplane Blues
7. Walkin' Blues
8. Love in Vain Blues
9. Ramblin' on My Mind
10. Stones in My Passway
11. Me and the Devil Blues
12. Honeymoon Blues
13. Kind Hearted Woman Blues
14. I Believe I'll Dust My Broom
15. If I Had Possession over Judgment Day
16. Sweet Home Chicago

1998年リリース。




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