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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2010年09月17日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ

巨匠が奏でる優しく暖かなサックスを堪能


 レスター・ヤング(Lester Young)は1909年に生まれ、1959年に亡くなったテナー・サックス奏者。11歳から家族バンドで演奏を始め、30年代にカウント・ベイシー楽団の一員として人気を博した。ビリー・ホリデイが名付けた“プレズ(Pres, Prez)”(プレジデント=大統領)の愛称で知られる。

 本盤は1944年と1949年に彼がサヴォイに吹き込んだ4回のセッションの音源から編まれたものである。5.、6.、8.、12.は1944年4月18日(午前)のジョニー・ガルニエリ・オール・スターズのセッションで、レスターのテナーに加えてトランペットとクラリネットの入った三管セプテット(管楽器3種入りの7人編成)の演奏。次に13.、14.、15.の3曲は、同じく1944年4月18日(午後)のアール・ウォーレン楽団の別のセッションからで、名義はこの楽団だが実質的にはレスターが所属したカウント・ベイシー楽団の演奏。ただしカウント・ベイシー本人は参加しておらず、アルト奏者ウォーレンの名義のセッションになったというもの。

 残る音源はレスター名義のリーダー・セッション。まずは1944年5月1日の初リーダー・セッションで、1.、4.、10.、11.がこれに該当し、カウント・ベイシーも参加している。最後は1949年6月28日のレスター名義では2度目となるリーダー・セッションで、収録曲2.、3.、7.、9.がこの音源からのものである。初リーダー・セッションから5年ほどの間隔が空いているが、これは軍(通常の軍役)に召集され、さらには懲罰監禁などを受けたせいで、この経験のためにレスターは絶頂期の勢いを失っていったと一般には言われている。

 “漂うように澱みなく流れる”プレイがこのアルバムおよび当時のレスターの真骨頂と言える。ビッグ・バンドの中で、そのバンドが奏でる音のリズムに囚われるのではなく自由なアドリブ・ソロを展開し、それはモダン・ジャズの礎となった。それと同時に、この人のサックスの音は鋭さよりも柔らかさ、閃きよりも漂い、といった情緒を持つ。音楽スタイル云々よりも以前に、そういう優しい人柄だったのではないかという印象を与えてくれるフレージングと音色である。

 その一方で、レスターのソロを聴いていると、“古き良き時代”的な野暮ったさも漂ってくる。音源が古く、それでもこもこした音というせいもあるが、それを差し引いても“野暮ったさ”が十分感じられる。けれども、上で述べた“澱みない”プレイとこの“野暮ったさ”は、おそらく同じコインの裏表であって、しかもやがてハード・バップが発展していく過程でジャズの世界では完全に置き去りにされ、捨てられてしまった要素である。

 ハードでスリリングな方向へと進んでいったジャズの潮流に対し、そのジャズが置き残してしまった暖かみやリラックス感がレスターの演奏には溢れている。“古き良き時代”的な聴き方と同時に、ジャズの発展の異なる道筋がありえたことを想像しながら、澱みない流れに聴き入るというのもこれまた本盤の一つの聴き方なのかもしれない。



[収録曲]

1. Ghost of a Chance
2. Crazy Over Jazz
3. Ding Dong
4. Back Home in Indiana
5. These Foolish Things
6. Exercise in Swing
7. Blues’n’Bells
8. Salute to Fats
9. June Bug
10. Blue Lester
11. Jump, Lester, Jump
12. Basie English
13. Circus in Rhythm
14. Poor Little Playing
15. Tush


[パーソネル・録音]

5., 6., 8., 12.:
 Billy Butterfield (tp)
 Hank D’Amico (cl)
 Lester Young (ts)
 Johnny Guarnieri (pf)
 Dexter Hall (g)
 Billy Taylor (b)
 Cozy Cole (ds)
 1944年4月18日(午前)録音。


13.~15.:
 Joe Newman (tp)
 Ed Lewis (tp)
 Al Killian (tp)
 Harry Edison (tp)
 Eli Robinson (tb)
 Dicky Wells (tb)
 Ted Donnelly (tb)
 Lou Taylor (tb)
 Earl Warren (as, vo)
 Jimmy Powell (as)
 Lester Young (ts)
 Buddy Tate (ts)
 Rudy Rutherford (bs)
 Clyde Hart (pf)
 Freddie Green (g)
 Jo Jones (ds)
 Tadd Dameron (arr)
 Dick Flanagan (arr)
 Dixky Wells (arr)
 1944年4月18日(午後)録音。


1., 4., 10., 11.:
 Lester Young (ts)
 Count Basie (pf)
 Freddie Green (g)
 Rodney Richardson (b)
 Shadow Wilson (ds)
 Junior Mance (pf)
 1944年5月1日録音。


2., 3., 7., 9.:
 Jessie Drakes (tp)
 Jerry Elliot (tb)
 Junior Mance (pf)
 Lester Young (ts)
 LeRoy Jackson (b)
 Roy Haynes (ds)
 1949年6月28日録音。
 





 
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Last updated  2013年07月10日 01時39分14秒
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