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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2010年09月21日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ

主役2人+元締め1人、完成度に“勢い”がプラスされたブラウニーの死の直前の1枚


 タイトルからしてライブ盤のように見えるが、実際はそうではなく、スタジオで録音されたもの。何でもニューヨークの名門クラブであるベイズン・ストリートに出演し、そのイメージや余韻を引っさげたままスタジオで録られたものとのこと。確かに、演奏自体はライブでやっている雰囲気に近い迫力が感じられる。

 録音が行われたのは1956年1月と2月、つまりはクリフォード・ブラウン(さらには本盤にも参加のリッチー・パウエルも)が不慮の交通事故死を遂げる数か月前であり、ブラウン=ローチのスタジオ作としては本盤が遺作となった(ただし同じメンバーでロリンズ名義の『プラス・フォー』の録音が生前になされている)。

 本盤は名盤案内などでもあまり取り上げられることのない1枚だけれど、それはこの作品に難点があるからではなく、本盤のメンバー構成ゆえにブラウニーの代表盤として選ばれにくいというのがその大きな理由ではないかと思う。通常と違うのは、テナー奏者ソニー・ロリンズの参加であり、正式リリースでロリンズをフィーチャーしている唯一のブラウン=ローチ盤が本作であるとのこと。実際、主役はブラウニー(クリフォード・ブラウン)一人ではなく、ソニー・ロリンズとの二人が主役という位置づけだと言える。それゆえ、結果的に“ブラウニーの”代表盤を選ぶ時には選ばれにくい(『スタディ・イン・ブラウン』や『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』という見事な盤が他にあるのだから選ばれにくくて当然ではあるが)。

 さて管奏者の二人を本作の“主役”と呼ぶとなると、マックス・ローチは主役ではないのか!というお叱りが熱心なファンからは聞こえてきそうだ。筆者が思うに、やはりローチは主役ではない。むしろ、“元締め”といった方がぴったりだと思う(ついでに言えば、だからこそドラム中心のジャケでよいのだ)。つまり、本盤の演奏の根っこを掌握してコントロールしているのがドラムのマックス・ローチ、前面に出て華々しく主役を半々で分け合うのが管楽器の二人、ブラウニー(トランペット)とソニー・ロリンズ(テナー・サックス)。この構図を把握した上で演出役が、ピアノのリッチー・パウエルとベースのジョージ・モロウなのである。

 さて、その“主役”の二人であるが、鋭く切れのあるトランペットを吹くブラウニーと、悠々とテナーを吹くロリンズはかみ合わないとの評がある。確かにイメージとしてはかみ合わないようにイメージされる。しかし実際に本盤を聴けばそうでないことがわかると思う。ロリンズは確かに悠々とした部分もあるのだけれど、ブラウニーに誘われるかのように、切れのあるフレーズを披露している。ロリンズの名盤として知られる『サキソフォン・コロッサス』の録音は本盤のすぐ後(1956年4月)に行われているが、このような真剣勝負的な場での演奏経験が活かされたと言えるのではないだろうか。

 なお、現在販売されているCDでは“8曲追加”とか、“4曲別テイク入り”とかがあるけれど、本来の9曲(または7曲)で、十分満たされる。というか、それ以上続くと食傷気味になってしまうので、これらボーナス・トラックはやはり蛇足と言わざるを得ない。



[収録曲]

1. What Is This Thing Called Love?
2. Love Is a Many-Splendored Thing
3. I'll Remember April
4. Step Lightly (Junior's Arrival)
5. Powell's Prances
6. Time
7. The Scene Is Clean
8. Gertrude's Bounce
9. Flossie Lou
~以下、CD収録時追加の別テイク(筆者の所有は1990年リイシューの輸入盤)~
10. What Is This Thing Called Love?
11. Love Is a Many Splendored Thing
12. I'll Remember April
13. Flossie Lou


[パーソネル]

Clifford Brown (tp)
Sonny Rollins (ts)
Richie Powell (p)
George Morrow (b)
Max Roach (ds)

1956年1月4日(4., 5., 8.のみ)、2月16日(他すべて)録音。






 
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Last updated  2013年07月23日 20時53分32秒
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