テーマ:ブルース・ロック(61)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
アルヴィン・リー追悼
アルヴィン・リー(Alvin Lee)を中心に成り立っていたイギリスのバンドがテン・イヤーズ・アフター(Ten Years After)。1967年にレコード・デビューしたブルース・ロック・バンドである。もともとは60年代初頭から活動していたそうだが、1966年にロンドン進出を果たしたタイミングでこのバンド名を採用した。バンド名の由来は“10年後もこのバンドが続いているように”という意味合いだったと言う。とはいえ、実際には10年もたずに1974年に解散してしまっている。 ここで取り上げるのは、テン・イヤーズ・アフターにとっての初ライヴ盤となった『アンデッド(Undead)』というアルバム(邦盤では『イン・コンサート』とされていたりしますが、同一盤)。上記のようにデビュー作は1967年で、第2作となった本盤は翌68年のリリース。場所はロンドンの小さなクラブ(クルックス・クリーク)だったという。そのせいかどこかアングラな雰囲気が残されているようにも思うのだけれど、何よりも圧倒的演奏力がとにかく印象に残る、そんな1枚である。圧倒的・爆発的ライヴの演奏は、ある種、時代の流れを踏まえたものであった。クリーム(1966~68年に活動)に代表されるように、ライヴでのインプロヴィゼーションがバンドの真価を問う場といったような風潮があり、まさにその流れの中でのこの演奏である。 テン・イヤーズ・アフターは、本盤リリースの翌年7月にロック・バンドとして初のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルへの出演を果たし、さらには同年8月のウッドストックでの演奏で名声を獲得していく。けれども、本盤の演奏で既にその下地は十分にでき上がっていた。曲によっては、ロックというよりも、ジャズ・ブルース・アルバムと呼んでもよさそうな演奏内容が繰り広げられる。 ぱっと見たところ(下記の収録曲一覧を参照)、収録曲数が5曲というのは少ないと思われる方もいるだろう(ちなみにアナログではA面2曲、B面3曲)。とはいっても総収録時間は40分近く、当時のアルバムでは標準的な長さなのである。つまり、いずれも5分超の長い演奏で、曲によっては10分近い演奏(1.)も含まれている。そうした長尺ゆえに、彼らの演奏能力の高さと緊張感が抜群に伝わってくる好盤である。長いのに飽きない、というと何かありきたりに聞こえるかもしれないが、正直、そうとしか言いようがない。 1.「アイ・メイ・ビー・ロング」は、この時期のブルースロックらしさ全開の長尺チューン。2.「ウッドチョッパーズ・ボール」でのアルヴィン・リーの速弾きは一般的には見せ場なのだけれど、個人的には3.「スパイダー・イン・マイ・ウェブ」のヴォーカルと呼応しあうギター・プレイの方が好み。この演奏は通好みと言えるかと思うが、さらに輪をかけて通受けしそうなのが4.「サマータイム/山東省のキャベツ」。ギターで聴かせる「サマータイム」からドラムソロ大爆発の「山東省のキャベツ」は、個人的にはちょっとついていけない部分もある。ラストを飾る5.「アイム・ゴーイング・ホーム」は、上記のウッドストックでの名演で改めて注目されるナンバー。とにかく爆発的勢いとパワフルさが凄い。 さて、リーダーのアルヴィン・リーだが、今年3月初旬にスペインにて死去とのニュースが各所で報道された。“通常の外科手術後の予期せぬ合併症”が死因とのことで、享年68歳。このニュースを見た後、まだ1枚も取り上げていなかったテン・イヤーズ・アフターのアルバムを早く本ブログの記事にしようと思いつつ、なかなかできずに時間が過ぎ去ってしまった。3か月以上も経ってしまったが、ご冥福をお祈りしたい。 [収録曲] 1. I May Be Wrong, But I Won't Be Wrong Always 2. Woodchopper's Ball 3. Spider In My Web 4. Summertime / Shantung Cabbage 5. I'm Going Home 1968年リリース。 ![]() 【Aポイント+メール便送料無料】テン・イヤーズ・アフター Ten Years After / Undead (輸入盤CD) 下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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