テーマ:ラテン系ロック(89)
カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
カイファネスからハグアーレスにいたるリメイク+α
ハグアーレス(Jaguares)は以前にファースト作を取り上げているが、1995年から2010年まで活動したメキシコのロック・バンド。サウル・エルナンデス(ヴォーカル、ギター)を中心としたグループで、本盤『エル・プリメール・インスティント(El primer instinto)』は、2002年にリリースされた作品である。 収録されている曲は、このバンドのナンバーだけでなく、前身バンドであるカイファネス(Caifanes)時代からこの時点までの代表的レパートリーを中心に構成され、アコースティックなアレンジで演奏されている。主に前半~中盤にかけてがカイファネス時代のナンバー、終盤にかけてがハグアレス時代のナンバーとなっていて、前年リリースのサード作『クアンド・ラ・サングレ・ガローパ』の曲も(8.,12.,16.)が含まれている。他には、メキシコの有名歌手フアン・ガブリエルのカバー(4.)や未発表曲(7.,17.)も収録されている。 このバンドを知る人にとっては有名ナンバーがずらりと並ぶが、曲自体のみならずアコースティック演奏という要素も含めて、個人的好みの曲をいくつかピックアップしてみたい。1.「キシエラ・セール・アルコール(アルコールになることができるなら)」は、最初から盛り上がる熱唱。ちなみにこの曲は、先住民言語のセリフ(?)から始まる(他の収録曲にも先住民言語のセリフが冒頭に挿入されているものがある)。確かに本盤のアートワークは、そういう先住民の精神世界みたいなものを意識しているようで、アステカの羽根飾りやら古代の彫刻みたいなのがジャケットなどに使われている。 上述のフアン・ガブリエル曲の4.「テ・ロ・ピド・ポル・ファボール(君へのお願い)」は、元の曲はいかにもロックと縁がなさそうなのが、完全に彼ら色の軽快なロック調に変わっているのが興味深い。5.「ペルディ・ミ・オホ・デ・ベナード(鹿の目を失った俺)」はもともとお気に入り曲なのだけれど、サウル・エルナンデスのヴォーカルのよさが典型的に出ているナンバーの一つ。 9.「マテンメ・ポルケ・メ・ムエロ(死んでしまいそうだから殺してくれ)」と10.「ラ・セルラ・ケ・エスプロータ(爆発する細胞)」は、ともにカイファネス時代の代表曲。とりわけ後者はトランペットを取り込んだことで、“マリアッチ・ロック”などと呼ばれたりもしたが、本盤ではオーケストラ・サウンドのアレンジを加えての演奏になっている。 ハグアーレス時代になってからのナンバーとしては、先記のファースト作所収曲の14.「デトラス・デ・ロス・セロス(丘の向こうに)」が個人的には好み。ここではいくつかの曲だけをピックアップしたが、捨て曲はほとんどなしん好曲・好演揃い。ある種ベストっぽい選曲ではあるけれど、演奏自体は単なるヒット曲集ではなくて工夫が凝らされているし、各曲は長尺はないものの17曲70分近いボリューム。案外、初めてハグアーレス(およびカイファネス)を体験する人にも二重丸のおすすめ盤となるんじゃないだろうか。 [収録曲] 1. Quisiera ser alcohol 2. No dejes que... 3. Viento 4. Te lo pido por favor 5. Perdí mi ojo de venado 6. Antes de que nos olviden 7. Arriésgate 8. La vida no es igual 9. Mátenme porque me muero 10. La célula que explota 11. La llorona 12. Como tú 13. Imagíname 14. Detrás de los cerros 15. Fin 16. Por un beso 17. No importa 2002年リリース。 ![]() 【メール便送料無料】ハワレスJAGUARES / PRIMER INSTINTO (輸入盤CD) (ハワレス) 下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年05月05日 05時54分30秒
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