カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
マノ・ネグラの中心人物による初ソロ作 1998年にリリースされたマヌ・チャオ(Manu Chao)の初ソロアルバムが『クランデスティーノ(Clandestino)』という作品。マヌ・チャオの本名は、ホセ・マヌエル・アルトゥロ・トマス・チャオ・オルテガ(José Manuel Arturo Tomás Chao Ortega)といい、生まれはフランスであるけれども、出自としてはスペイン。父はガリシア地方、母はバスク地方の出身だそうで、つまりは、スペインのフランコ独裁時代にフランスへ移住した家系に生まれた。 パリでストリート・ミュージシャンに始まり、いくつかのグループに参加した後、1987年にマノ・ネグラ(Mano Negra)を結成し、このバンドのリーダーとして、ヨーロッパ諸国を中心に成功をおさめた。本ファーストソロ作は、ラテンアメリカの様々な要素を取り込み、さらには世界を視野に収めた歌詞や場面が登場し、サンプリングを交えて、シンガーソングライターとしての実力にミクスチャーらしさをうまく組み合わせた音楽に仕上がっている。なかにはメキシコの反乱軍(90年代に武装蜂起したサパティスタ)のリーダーのメッセージもサンプリングの中には組み込まれている。加えて、“迫害される者”の立場に立った視線も映し出す内容で、上記の通り、フランコ独裁下で国外移住した家族出身という環境にもこのことは由来するのであろう。 それにしても、詞やセリフにはスペイン語のみならず、フランス語、英語はふつうに出てきてそれ以外の言語も飛び出し、もはや音楽の理解に言語は関係ない(はたまた、それぞれのメッセージは各言語がわかる本物の“世界市民”にしか理解できない?)という印象さえ受ける。詞の内容には、南米の大地の神パチャママが出てきたかと思うと日本を含む世界の動向みたいなものも出てきたりする。さらにはメキシコで反乱を起こしたサパティスタのスポークスマンの音声まで含まれている。詞を全部よく読んだわけではないけれど(上記の通りいろんな言語なので筆者には到底全てが理解できるわけもない)、激しく変動し動いていく世界とその中での個々が被る理不尽、個人の孤独感や生きる意味みたいなものが根底にあるのかな、と思わされたりする。 個人的に気に入っている曲をいくつか挙げてみると、表題曲の1.「クランデスティーノ(秘密の、非合法の)」、2.「デスアパレシード(失踪者)」、6.「ラグリマス・デ・オロ(金の涙)」、10.「ウェルカム・トゥ・ティフアナ(ティフアナへようこそ)」といったところ。とはいえ、上述のように、全体を通して聴くことで、制作者側のメッセージが伝わる作りで、音楽的にも言葉の上でも多様なものがミクスチャーされている。そのことは“聴き手が試される音楽”とも言えるだろうが、実はマヌ・チャオの意図はそんな難しいものでなく、断片断片を楽しんでもらうことも念頭にあったのだろうか、と勘繰ってみたりもする。 [収録曲] 1. Clandestino 2. Desaparecido 3. Bongo bong 4. Je ne t'aime plus 5. Mentira... 6. Lágrimas de oro 7. Mama call 8. Luna y Sol 9. Por el suelo 10. Welcome to Tijuana 11. Día Luna... día pena 12. Malegría 13. La vie à 2 14. Minha galera 15. La despedida 16. El viento 1998年リリース。 【ただ今クーポン発行中です】Manu Chao / Clandestino (w/CD)【輸入盤LPレコード】(マヌ・チャオ) ↑ジャケットイメージは上の通り(リンク先はLP)。 CDへのリンクは↓ 【ただ今クーポン発行中です】【メール便送料無料】【メール便送料無料】Manu Chao / Clandestino(輸入盤CD)(マヌ・チャオ) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 “ぽち”応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2016年05月03日 07時31分18秒
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