テーマ:ブルース・ロック(62)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
評価の分かれるセカンド作、個人的には愛聴盤
デビュー盤の『フリートウッド・マック(ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック)』が高い評価を得る一方、それよりも一段注目度が低くなりがちなのが、第2作の『ミスター・ワンダフル(Mr. Wonderful)』。初期フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)の代表盤として有名な『英国の薔薇(イングリッシュ・ローズ)』は本盤を下敷きにいろいろ追加された米国向け編集盤である。ジャケットに映り込んでいる半裸の男はミック・フリートウッド(ドラム)。インパクトはあるが、本盤の内容とは特に関係ない(笑)。 フリートウッド・マックというバンド名は、この人物とジョン・マクヴィー(ベース)の名を組み合わせたもの。内容は前作同様、シカゴ・ブルースに根ざしたブルース・ロック・アルバムで、ピーター・グリーンのヴォーカルとギターを中心に、ジェレミー・スペンサー(ギター、ヴォーカル)が絡む。 個人的好みで聴きどころと言えそうなナンバーをいくつか列挙しておきたい。まずは、ギター・プレイが冴える1.「ストップ・メッシン・ラウンド」。CDの再発では、ボツのテイクや別テイクが収録されているが、計算されつくされたというよりは、ジャム・セッション的に録音されたであろう様子が窺える。おそらくは、こうした雰囲気が理由となって“完成度”という面で本盤の評価はあまり高くならないのだろうかと思ったりもする。 さて、本題に戻ろう。4.「ダスト・マイ・ブルーム」は、ロバート・ジョンソンのカバーで、本盤の中ではよく言及される曲。確かに、ブルースの模倣からブルース・ロックが出来上がっていく瞬間のドキュメントの一つとも言えそう。さらには、J・T・ブラウンの6.「ドクター・ブラウン」や10.「レイジー・ポーカー・ブルース」なんかが典型だと思うのだけれど、この“音の塊”が聴き手の方にぶつかってくるような感覚が初期フリートウッド・マックの真髄だと感じる。ある意味、荒い部分もあるが、それも含め、さらには、ジェレミー・スペンサーのエルモア・ジェームズそのまんまなプレイも含め(曲の冒頭のエルモア風リフは多用しすぎな感じだけれど)、“音の塊”なのだと思う。他には曲名を挙げだすときりがなくなるのだけれど、ピーター・グリーンのギター・フレーズに知らず知らずのうちに耳がいってしまう。ある種の“ゆるさ”とブルースロックが出来上がっていく過程で現れた“力強さ”。これが二大要素だと思うのだけれども、確かに、聴き手の立場を考えれば、まとまりに欠けるというのもあながち否定できない。でも、結局のところ、個人的には繰り返し聴き続けているお気に入り盤である。 [収録曲] 1. Stop Messin' Round (Take 4) 2. I've Lost My Baby 3. Rollin' Man 4. Dust My Broom 5. Love That Burns 6. Doctor Brown 7. Need Your Love Tonight 8. If You Be My Baby 9. Evenin' Boogie 10. Lazy Poker Blues 11. Coming Home 12. Trying So Hard to Forget ~以下、CDボーナス・トラック~ 13. Stop Messin' Round (Take 1,2,3) 14. Stop Messin' Round (Take 5) 15. I Held My Baby Last Night 16. Mystery Boogie 1968年リリース。 Fleetwood Mac フリートウッドマック / Mr Wonderful 輸入盤 【CD】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020年09月14日 05時45分37秒
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