お蔭様で当店は今月でオープン10周年を迎えました。
お金もコネも知識も経験も全くの“ゼロ”からはじめたこの事業、
気づけば安心・安全という意味ではトップレベルの化粧品&食料品店!
と自負できるまでに成長することができました。
これもひとえに支えてくださった皆様のお蔭です。
本当に本当にありがとうございますm(_ _)m
正直この10年間、苦しい思いもいっぱいしました。
それでもなんとか続けてこられたのはもちろん妻や家族、取引先、
そして何よりもお客様の支えがあったからこそですが、
ぼく自身、どんなに苦しくても一切やめようと思わなかったのは、
単に生活のためだけにこの仕事をしていたわけではなく、
“志”があったからです。
よく “夢”と“志”は同じような意味合いで使われますが、
ぼくの中では両者は似て非なるものだと思っています。
“夢”とは、こうなりたい、あれが欲しいといった未来への願望を意味します。
具体的には、プロ野球選手になりたいとか、
大金持ちになりたい、家が欲しい、会社を大きくしたい、などですね。
もともと“夢”という言葉は寝ている時に見るものを指す言葉として生まれ、
結局は起きたら覚めるものでしかなく、実体がないことを意味しています。
そこから「はかない」とか「たよりない」ことを表す言葉として
比喩的に用いられるようになったんですね。
“夢”が「将来の願望」を意味する言葉として使われ始めたのは、
実はごく最近のことなのだそうです。
日本には古来より“言霊(ことだま)”という考え方があります。
言葉には力があり、紙に書いたり声に出したりした言葉が
現実に影響を及ぼすと考えられてきました。
要するに良い言葉を発すると良い事が起こり、
悪い言葉を発すると悪い事が起こるということですね。
この言霊の観点から考えると、
“夢”という言葉には前向きな力があるとは到底思えないですよね。
“夢”には実体がないからこそ“夢”を追い求めている人の多くは
非現実的になりやすく、すぐに見失い、挫折し、
たとえ“夢”を叶えたとしても不幸になってしまう人がいっぱいいるのでしょうね。
一方“志”とは、心に決めた目標や目的、信念を意味し、
相手を思う気持ちや人に対する厚意の意味も含まれています。
語源を調べてみると「心指す」が語源で、
心が目標を目指して進み行くことを表しているのだとか。
こうして見ると“志”は“夢”よりも現実的で、とても力強さを感じますよね。
単なる個人の願望的な意味合いで使われる“夢”とは違い、
“志”は社会全体に影響を及ぼすような目標として使われることが多く、
それ自体が行動の原動力となりえます。
“夢”には実体がありませんが、“志”にはいのちが宿っているのです。
だからこそ崇高な“志”は時代を超え引き継がれていくのですね。
もちろん“夢”を否定するつもりはありません。
ぼくの中にも個人的な“夢”はいっぱいあります。
人生に意味を見出せない人が“夢”を持つことは一つの希望になり、
とても良い事だと思います。
ただそれだけでは心もとないのです。
“志”がバックボーンにあればこそ、個々の“夢”も生きてくるのだと思います。
“夢”を次々と叶える人は、
きっと周りの人を幸せにしたい、世界平和に貢献したいというような“志”を持っていて、
自分の“夢”がその“志”にしっかりつながっている人なのでしょうね。
ぼくがこの仕事を通して掲げる“志”は、
人と人とのつながりや自然とのつながり、
心と体のつながり、いのちのつながりなど、
現在失われつつある様々なつながり(縁)を取り戻し、
日本、そして世界を元氣にしたい、
というものです。
その理想はまだまだはるかに遠く、
とてもぼくが目の黒いうちに成し遂げられるようなものではないですが、
だからこそ一生かけて続けられるライフワークとなり、原動力となるのです。
ぼくにとって“志”は、生きる力そのものだといえます。
これからもその“志”を胸に精進してまいりますので、
どうか末永く、よろしくお願い致しますm(_ _)m