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PCの起動から稼働中までの挙動のしくみは前項で述べました。
ここではシャットダウン前後について述べることにします。 シャットダウン前の稼働中の状況はどうなっているか? 単純化したものが下図になります。 さて、ここで誤解を防ぐために少し補足します。 上図を見て「CPU」「メモリ」「HDD」に3つのOSがそれぞれ存在しているように思われるかもしれませんが、独立した3つのOSに分かれているというわけではありません。 1つのOSが3ヶ所に分散して存在してるということを示しています。 さて、分散して存在しているこれらのOS、これらは全く同じデータを保持しているわけではありません。 まず、CPUやメモリに存在しているOSはOS全体の一部がコピーされたものに過ぎません。 大元のOSのすべてのデータはHDDに存在しています。 なぜ、OSのすべてがメモリにロードされないのか? それはOS全体の容量がメモリに対して非常に大きいため、そもそもメモリに入りきることができないからです。 (例えばWindowsXPでは最低限でも6GB程度、場合によっては10GBを越える場合も。) また、OSのすべてのプログラムが常に稼動しているわけではないので、OSのすべてをメモリにロードする意味はそんなにありません。 そのため、メモリに居座っているOSというのは、OSのコアとなるプログラム(カーネル)や使用頻度の多いプログラムやデータが主になります。 使用頻度の低いプログラムなどは、必要な時だけにロードされ、必要がなくなったら捨てられる形になります。(そのまま居座ると、メモリを圧迫するため) ちなみにCPUにいるOSはメモリにいるOSがCPUとやりとりしながら働いている状況と思ってください。 さて、メモリやCPU上にいるOS、様々な処理を常時行うので、HDD上にあるOSの値と差異が生じるようになります。また、作成中の文書などのデータは常にHDD上に保存されるとは限らず、明示的にしっかりとデータの保存作業を行わない限り、作業中のデータはメモリ上に保持されるのが基本です。 PCを終了させるにあたり、こういったメモリ上に存在しているデータはHDDに保存する必要があります。 なぜならメモリ(やCPU)は通電していないときはデータを保持できないからです。 このメモリに存在しているデータ、具体的にはユーザが作成途中のファイルだったり、OSに関する設定値情報などのデータを「メモリからHDDへ保存する作業」が「シャットダウン」という作業に該当するわけです。 では「シャットダウン」という作業をせずにコンセントを抜いたりして電源を落とした場合はどうなるのか? その場合、メモリに存在していたデータがすべて失われます。 特にOSの設定値などがHDDに保存する前に失われた場合、HDD内のOS内の設定値に矛盾が発生するため、次回の起動時にトラブルが発生するケースがあります。 特に重傷の場合はOSが起動しないということもありえます。 電源をいきなり切っていけない理由はここから来ているわけです。 ああ、素晴らしき"LiveCD" PCの動作のしくみ(1) ~ハードウェアの役割とデータの流れ~ PCの動作のしくみ(2) ~ハードウェアとシステム(OS)~ PCの動作のしくみ(3) ~電源をいきなり切ってはいけない理由~ LiveCDの動作のしくみ 番外編:ドライブの起動順位について お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.23 03:55:54
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