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カテゴリ:生きる
「3秒の悟り」 1.今まで自分の身に起きたことは、すべて必要だったと思うこと。 2.そのすべてが自分にとってプラスであった。自分を成長させてくれた。それがなければ、自分はここまで来なかった。今日はなかったと思うこと。 3.だから今までのすべてに感謝している、今までの全てに感謝できると思うこと。
先週、母が上のような文章をファックスで送ってきた。一番辛い時に何かの本で見つけ、すがるような思いで書き写していたらしい。そして「時間がかかったけれど、書かれているように思えるようになった」と話していた。 10年前母はうつ病になった。誰よりも働き者で明るい母だったのでまさかうつ病とは思わず、私は母を励まし続けた。「相手がうつ病を患っている場合は絶対に励ましてはいけない」という鉄則があることを後で知り、とても後悔した。 だから私は母のうつ病の改善のために悪い影響は与えたとしても、良い影響を与えることはできなかったと思う。母を救ったのは適切な治療をして下さった精神科の先生と、どんな時も母の話を「そうか、そうか」と聞いてあげた父だった。 母の状態が落ち着いたと思ったら、今度は父が脳疾患で寝たきりになり、1年間の入院と1年間の在宅介護の末亡くなった。病床にあっても父はずっと母のことを心配していたし、私と弟も父の介護中、そして父の死後、再び母にうつ病の症状が出るのではないかと心配した。 だが父が亡くなった当初不安定だった母の精神状態は、薄紙を剥ぐようにゆっくりゆっくりと安定していった。今でもごく弱い睡眠薬は必要だが、たくさんの友人ができ、毎日を楽しく生き生きと過ごしている。 もうすぐ父の5回忌を迎える。 「今、介護やうつに苦しむ友人、伴侶を亡くしたばかりの友人の話しを親身になって聞いてあげることができる」と語る母の明るい声がとてもうれしかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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