【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

フリーページ

2009年04月20日
XML
カテゴリ:政治問題
 ミサイルでも衛星でもとにかく違反は違反だ、とマスコミが大騒ぎした朝鮮の発射実験について、慶應義塾大学教授・小此木政夫(おこのぎまさお)氏は、6日の読売新聞で次のように述べている;


 今回のミサイル発射は、北朝鮮が米国などと交渉に入ることを目指すものだ。これまでは国際的な非難を無視して発射する強硬姿勢だったが、今後は変わっていくだろう。

 北朝鮮は結局、金正日総書記の独裁体制を維持するために核やミサイルを開発している。体制維持が目的であり、兵器の開発は手段だ。体制維持の安心感がなければ兵器は放棄しない。では何が安心の担保かと言えば、第一に米朝の国交正常化と経済の再建だ。

 今回の発射の重要な目的は、オバマ米政権の対北朝鮮政策に影響を与えることだ。米国との交渉の舞台を設定し、6か国協議とは別に米朝のミサイル交渉を開始して、国交正常化を目指す。クリントン米国務長官も正常化に言及しており、交渉を目指す両国の思惑は一致している。北朝鮮は今回、ミサイル・カードを握るつもりだった。

 国連安保理で厳しい応酬があるだろうが、北朝鮮はその後を考えている。事前通告など珍しく国際ルールに沿う姿勢を見せたが、これは、中国の仲介によって米朝交渉に入りやすいよう条件を整えたと見ることができる。米朝交渉と並行して、6か国協議を継続していく意思もあるだろう。

 常識では、ミサイルを撃っておいて交渉に入ろうなどという意図は考えづらい。だが、相手のほおを1回たたいてプロポーズする、それが北朝鮮のやり方だ。

 国内的にも発射の意義は大きい。経済不振や金総書記の健康問題があり、指導部は国内に動揺が生じないよう人心掌握に相当な神経を使っている。何か成果を見せなければ団結は図れず、発射は大々的に宣伝される。人工衛星が軌道に乗るまいが、ミサイル2段目の点火に成功すれば成果として活用する態勢だろう。

 金総書記にもプレッシャーはあると思う。今回は国内的にも相当な冒険だったはずだ。失敗すれば人づてに伝わって国民が不安になる。発射の部分的な「成功」で一応の安定を取り戻したといえる。

 金総書記があと何年元気でいられるかを考えると、オバマ政権1期目の終わりにあたる2012年が重要な年として浮上する。総書記は70歳になり、金日成主席生誕100年でもある。金総書記はそれまでに米朝関係を正常化し、経済を再建させて、後継問題も何とかしたいと考えている。

 今回の発射は、軍事的な脅威の著しい増大にはならない。米国にとって、準備に数週間もかかり、天候に左右されるミサイルは脅威ではない。対日本の兵器は、すでにノドンがある。

 日本にとって最大の脅威は、ノドンに小型化された核兵器が搭載されることだ。重要なのはノドンの規制と非核化であり、発射に挑発されて、非核化に取り組む6か国協議の可能性をつぶしてはならない。 (聞き手・国際部 山口香子)


2009年4月6日 読売新聞朝刊 13版 6ページ「談論-対米交渉入りが狙い」から引用

 結局、金正日政権が食糧不足の中、無理やりあのような実験を強行するのは、これまでアメリカが政権の存在を脅かすような政策を採り続けてきたからである。「テロ支援国家」指定は解除したものの、圧力はまだ無くなってはいない。金正日政権にしてみれば、国内政策を充実させる以前に自らの存在を脅かす外敵に対処しなければならないのであるから、前途は多難である。それでも着実に成果をあげてきているのも事実だから、この政権は今後も同じ路線で進むであろう。一国の政権がいかなるものであろうと、それはその国の国民が選択し決定するものである。それを、アメリカは、自分の気に入らない政権は転覆させるという悪事を平気でやってのける「ならず者国家」だものだから、朝鮮政府もそれなりの対応をせざるを得ないのである。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年04月20日 20時57分53秒
[政治問題] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

佐原

佐原

お気に入りブログ

Can you keep up  Z… New! maki5417さん

コメント新着

 捨てハン@ 潰れそうな新聞なら東京、朝日、毎日が挙がるかなぁ >全国紙は世論のありかを明らかにし、国…

© Rakuten Group, Inc.