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2011年11月25日
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カテゴリ:政治問題
 バンコクは、その昔、運河が発達していて「東洋のベニス」と呼ばれるほどの美しい町でした。それが、近代にいたって資本主義経済が発達すると、資本と癒着した政治家が経済効率を求めるという大義名分をかざして、祖先が残した治水のための生活文化を破壊し、運河を埋め立てて道路を建設し、その後、少し雨が降っただけですぐに町が水浸しになるという有様でした。その様子を、13日の「しんぶん赤旗」コラムは次のように述べています;


 記録的な大雨によるとされるタイの洪水。いまだに水のひく見通しはありません。報道番組のキャスター、コメンテーターは、一様に洪水の原因を「タイは、山間部と平野部の高低差が小さい地形だから」「治水対策が遅れているから」といっていました。

 聞きながら、思い出したことがあります。1977年、新聞・放送労働者によるベトナム訪問団の一員として、解放ベトナムを訪問したときのことです。往格、帰路ともバンコク経由。当時のタイは軍事政権下。夜は戒厳令の街でした。

 帰路に立ち寄ったバンコクは、雨上がりにもかかわらず道に水があふれています。ゆっくり進むバスの中でのガイドさんの説明におどろきました。

 「間違えないでくだサイ。ここは川ではありまセン、道デス」「これは役人のワイロのためデス」「バンコクは”東洋のベニス”といわれていました」「大きな運河が縦横に走っていましたが、道をつくるために埋めてしまった」「雨が降れば、水はどこへ行っていいかわからない」と。(当時の私のリポートから)

 われわれがベトナムからの帰りと知っているガイドさんが、そっと質問してきました。「タイは、社会主義になったらいいと思うか」と。笑いを交えた説明でしたが、それは、タイの先人たちが築いてきた”文明”を埋めてしまった政治に対する精いっぱいの批判だったのです。タイの洪水は「地形」や「治水対策」以前に、「人災」…いや「政治災害」といっていいでしょう。そんな歴史を知っていたら、洪水についてのコメントも違ったものになっているはずです。

 「タイの洪水」も「原発問題」も図式は同じです。一つひとつの事態を個別に伝えるのでなく、”関連づけて”伝えてくれれば、伝えられる側の見方も変わってくるはずです。ここでもメディアの「視点」が問われます。


2011年11月13日 「しんぶん赤旗」日曜版 35ページ「メディアをよむ-タイ洪水と政治災害」から引用

 私たちの生活文化というものは、2~3百年前から始まった資本主義経済に比べて、はるかに長い伝統と生活経験によって生まれ育まれたものです。したがって、新しい生活様式を取り入れて効率を上げることは大事ですが、生活環境に変更を加える場合は、それによってどのような弊害があるのか、それは避けることができないのか、最小限に抑えるとした場合はどうなるのか、あらゆる角度から慎重に検討して、ことの是非を論じるべきです。原子力発電を始めるべきか否かという問題も、TPPに参加すべきかどうかという問題も、同様です。わが国の原発のように、国民世論に問うこともなく国会論議も省略して、どさくさに紛れて先に予算を通して、それを既成事実として強引に推し進める、バンコクの運河埋立も、おそらくそのような不正の上で実行されたものに違いありません。だからどちらも同じ結果となって人々に災いをもたらしている。TPPについても、政府が情報を秘匿して、国民に対して曖昧な発言を繰り返し、交渉の場ではアメリカ主導に押し切られてしまえば、国民に災いをもたらすであろうことは疑う余地がありません。国会は、一日も早く「TPP不参加」を決議し、不満な財界人は国外追放にするべきでしょう。







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最終更新日  2011年11月25日 19時03分45秒
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