世界最古の企業
帝国データバンクの企業概要のデータベース「COSMOS2」(2012年11月時点)に収録された143万社を対象に、創業から10周年毎に2013年を区切りの年とする企業を調べたところ、その数は全国に13万5,275社あることがわかった。 このうち創業40周年を迎える企業が2万8,892社となり、最も多かった。さらに100周年は1,425社、110周年は415社であった。帝国データバンクがまとめた別の調査では、日本の企業の“平均年齢”は35.6歳だという。この結果と比較すると、これらは老舗企業と言えるだろう。 そして、1,000年以上も続く企業も、日本には7社あるそうだ。最古参の「金剛組(本社:大阪府大阪市)」は、日本のみならず世界で一番長い歴史を持つ建築会社で、創業は西暦578年と飛鳥時代までさかのぼる。聖徳太子に招かれた百済の技術者のひとりが初代となり、活動は今日まで1435年間におよぶ。金剛組が手がけるのは、神社仏閣や城郭といった文化財の側面も持つ建築物の設計、施工から復元や修復。代表作は四天王寺(大阪)、法隆寺(奈良)、江戸城の田安門他がある。仕事のスタイルは独特で、宮大工と呼ばれる伝統建築を専門とする技術者を束ねるプロデューサーとしての役目を担っている。 一方、業種を宿泊業に絞ると、世界の老舗ベスト3はすべて日本の温泉宿が占めている。南アルプスの麓である山梨県南巨摩郡に建つ「甲州西山温泉慶雲館」の創業は、いまから1308年前の西暦705年で、ギネスも認める世界最古の旅館だ。地元の武田信玄や、隣国静岡の徳川家康も湯治に訪れた同旅館は、現在も源泉掛け流しと細やかなサービスで人気は高く、JTBの宿泊アンケートでも、常に高得点をマークしている。第2位は、兵庫県の日本海側にある城崎(きのさき)温泉で西暦717年開業の「千年の湯古まん」。そして3位は、加賀温泉郷(石川県)のひとつ粟津(あわづ)温泉にある「法師(運営は善吾楼)」で、開業は西暦718年だ。