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カテゴリ:宝塚
本日2回目の更新、失礼します。
花組「復活」「カノン」。 まずは「復活」から。 これはトルストイの「復活」が原作のミュージカル・プレイで 当然ロシア物。深刻なお話のよう… 「よう」というのはですね、恥ずかしながら私は 「復活」を読んだことがないのです。 文学史で名前だけ知っているけれども。 しかも予習せずに見に行きました。 で、見終わって思ったのは すごく良い作品だということ。 そして脚本家 石田昌也先生のこと、 最初から最後まで真面目な作品も書けるんだなと、 そんなふうに思いました。 私が谷正純先生のことを心ひそかに「皆殺しの谷」と呼んでいることは 何度か書いております。(全然心ひそかじゃない) で、石田昌也先生のことはいつも「やりすぎなんだよ、石田昌也」と 心の中でつぶやいていました。 (呼び捨てなのは単に語呂合わせのため。石田作品は好きです) 石田先生って、関西弁でいう「いちびり」な人なんじゃないかと思います。 サービス精神なのか、単に好みなのかは知らないけれど 作品の中で若干お下品だったり、ギャグに走ったりされることが多くて ついつい、上のようにつぶやいてしまうのです。 でも「復活」はいちびってなかった。 オーソドックスな感じがして、心の深いところにじーんとしみてきました。 ただ、そんな作品をお正月興行に持って来たことが良かったかどうかは 難しいところかもしれません。 私の中では年末の方が時期としては良かったかなと思います。 さて、ネフリュードフ:蘭寿とむ。 自分がカチューシャの人生を狂わせてしまったと知り 爵位も財産もかなぐり捨てて彼女の救済に奔走する男性。 「なぜそこまでする?」と、劇中の周囲の人と同様のことを 私も内心思いましたが、何となく捨てておけないというか 力になってあげたいと思わせる男性なんですね。 誠実な理想主義の若者ネフリュードフなので 今回の蘭とむは「赤面王子」封印かしら…と思いきや カチューシャを後ろから抱き締め「僕のことが嫌いか?」というシーン、 石田先生わかってはるわぁと思いましたね。 絶対、蘭寿さんファンは「キャー!!!」ってなっているはずです。 私も小さく「キャー!!」でしたから。 この作品、描かれている内容は生々しくて たとえば、一夜を共にしただけでカチューシャは妊娠、そして死産。 その後身を持ち崩し「公爵様のお手付き女」を売りにする娼婦へ転落… なのですが、そこは宝塚、汚らしいシーンがありません。 そのかわり、トップコンビのラブシーンも少なく この後ろからだっこが本日のハイライト(ラブシーンに限り)と言えましょう。 それにしてもネフリュードフもカチューシャも、これで幸せになれるのだろうか? という結末ですが、緞帳が下りた時に、 何故か明るくさわやかな気持ちなのでした。 うーむこれは原作を読んでみなくては。 トルストイがそうさせているのか、石田マジックなのか そこを知りたいと思いました。 カチューシャ:蘭乃はな 随分お芝居が上手になったなと(何様や、私!)感動しました。 彼女がかわいそうで、かわいそうで。 でも、彼女の身になって考えると、最後の決断は無理もないかと。 お芝居のサブタイトル「恋が終わり、愛が残った」の意味が しっかり伝わってきました。 もともと私は蘭ちゃんの風貌が好きでしたが これまでは未熟さが目についてしまって 心から蘭ちゃんが演じる役を楽しむことができなかったのです。 今日はぐっと涙してしまいました。 トップコンビ以外の配役がまた うまくはまっておりまして…。 ネフリュードフの友人でチャラ男キャラのシェンボックに壮一帆。 私は壮さんの軽妙なお芝居、大好きです。 2番手さんにもちゃんと恋人がいて、見せ場があるお芝居良いですね。 その恋人役は、この公演で退団する月野姫花ちゃん。 綺麗な娘役さんで、壮さんと並ぶと一組のお人形さんのようでした。 ああ、惜しいわ。 退団と言えば、同じくこの公演が最後の扇めぐむ。 とても目立つ悪役で、この悪が歌舞伎でいう「色悪」なのが良い。 セリフがとても聞き取りやすくて、 カチューシャの運命を左右する事件の本質を 間違いなく客席に届けてくれます。 革命家で最後はカチューシャに求婚するシモンソンにみわっち(愛音羽麗)。 私がみわっちに抱いているイメージそのままの役でした。 カチューシャの弁護士にみつるくん(華形ひかる) 眼鏡男子なのも良いけれど、中身もなんて良い弁護士さんなんだろう。 カチューシャを弁護していくうちにどんどん親身になって行き、 カチューシャが思いを寄せながらもネフリュードフを 遠ざける気持ちを知ったときのやるせない表情… 惚れた~。 私「復活」に出てくる男性の誰かと結婚するなら 断然このファナーリン弁護士が良い。 一人ひとり書いていたら字数制限越えちゃう。 もう一人だけ。 女性革命家役の花野じゅりあ。 じゅりあ姐さんと呼びたい貫録。 (彼女の方がはるかに年下デス) 服装、髪型、雰囲気を見ていて 池田理代子の「オルフェウスの窓」を再び宝塚で上演することがあるなら アルラウネは絶対に じゅりあ姐さんにやってもらいたいと そう思いました。 ああ他にも、だいもん(望海風斗)、悠真倫も良かったわ。 あ、そうそう。ハプニングとしましては 執事役の高翔みず希が、カチューシャがお屋敷を辞めて 身を持ち崩すことになった原因を説明するシーンで 何だかちょっと歯切れ悪くセリフをしゃべっているなぁ…と感じていたら 「カチューシャの兄が(妹の妊娠をネタに)お屋敷にゆすりに来て…」というくだりを まるまる2回繰り返していました。 単にセリフを忘れちゃったのか、舞台転換が遅すぎて間が持たなくて もう一度同じセリフをしゃべったのか、 初見だったので事態が把握できませんでした。 どういうことだったのかなぁ。 続いてレビュー「カノン」 全編見て「カノン」というタイトルがふさわしいのかどうか ハテナでしたけど、まずまず楽しかったです。 一番印象深かったのは蘭ちゃん(蘭乃はな)のダンス。 こんなに踊れる人だったかしら?と。 蘭とむは、去年見た「ル・ポワゾン」があまりにもエロかっこ良かったので 今回も期待していたら、あそこまでは赤面する場面がなく 若干がっかり。(何を期待しているのか) あ!蘭とむじゃないけれど、セクシーなシーンが一か所あったわ。 思い出した。 Agitato~タンゲーラという場面。 蘭とむ&蘭ちゃんがセンターで踊っている時に 上手がわ、濃い紫の衣装の男女の振付が えらいことになっていて、びっくりしました。 センターの二人よりセクシーでしたもん。 あとレビューになると俄然 目を引き寄せられるのが 瀬戸かずやと柚香光。 だいもんの歌も聞きごたえがあったし じゅりあ姐さんのロケット(ラインダンス)もかっちょ良かったナ。 あ、そうそう。 大きな蘭とむを平気な顔してリフトして ぐるんぐるん回していた男前な男役さんどなたですか? たくましい~。 ところで… お芝居もレビューも宝塚らしい良い作品だと思うのに 今日は客席の入りがひどかったです。 平日だからでしょうか、とにかく寒々しい。 2階はどうだったのだろう、考えるのも怖いです。 客席から登場するシーンがけっこうあったので お客さんが少ないことがダイレクトに出演者にわかるだろうと思うと 気の毒で。 なんとかしてお客さんを増やせないものでしょうか。 一生懸命舞台を勤めている生徒さん達が気の毒すぎる…。 今日の日記を気に入って下さったら ↓ポチっとクリックお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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