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カテゴリ:列島紀行 北アルプス
[ 乗鞍岳 vol. 2 ] おまえはいったい、何なのだ? いったいなぜ、そんなかたちへと進化したのであろうか? いったい何のために、こんなところにまで登ってきたのであろうか? 見たこともない高山植物たちを前にして、うぅむと唸りながら、 この惑星はいったい何なのだと思う。 花の造作の不思議さを、しげしげと見つめた。 過去に地球で繰り返されてきた自然淘汰には、 思いもつかぬほど膨大で壮大なドラマがあったであろう。 進化は、私たちが驚くような大胆な変化をもって体現されている。 最初は何気なく思った花でさえ、細部までよくよく見ていると、 ふつふつと不思議な感情が湧いてくる。 コレハイッタイナンナノダ? 次第に、なんだかリアルな世界とは思えなくなってくる。 でもこれが、俺の棲んでいる地球で起きていることである。 これがこの星の生命のダイナミズムである。 乗鞍岳の肌寒い風に吹かれながら、あぁ一緒なのだなと想い馳せたのは、 意外にもアマゾンのような熱帯雨林であった。 気候は違っても同じ。 これは、この惑星を舞台に繰り広げられる生命のうねりなのだ。 植物も動物も地球中の無数の生命は、この惑星の広い範囲にわたって進出し、 それぞれの地で、それぞれの戦略をとりながら生きている。 熱帯雨林で、ツンドラで、サバンナで、砂漠で、街角で、 それはもう地球のあらゆるところで。 不思議に進化した高山植物をあれこれ深く静かに見ているうちに、 植物に対する感じ方がずいぶんと変わっていくような気がした。 いままで何気なく思っていた地球中の植物たちが、 やけに激しく、やけに生命の躍動感をもって感じられてきた。 地球中の生命のざわめきを感じて、地球はなんてにぎやかな星なんだと思った。 そしてなにより、地球はやっぱりおもしろい、と思った。 (注) 掲載したすべての写真および文章の著作権は、 私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.02.24 15:17:23
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