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 地球が見たい!     ― it's my life ―

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Comments

angelicgirlm@ こんにちは、chikyuujinさん ちゃんと掲示板みてくださいっ(笑 chi…
chikyuujin@ Re: angelicgirlmさん angelicgirlmさん、ごめんごめん、掲示板…
chikyuujin@ Re: よこちゃん2007さん エッ! そんなこと言っていただけるなん…
angelicgirlm@ こんにちは! そういえば、掲示板見てくれました?
よこちゃん2007@ Re:生きる(01/01) 写真展などされる場合は、お知らせ下さい…
2007.09.11
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  IMG_2012.JPG








   先月の北アルプス山行、その常念岳から蝶ヶ岳へ向かう稜線で、
   ある年配の婦人と出会った。

   還暦を迎えるかどうかという感じの方で、
   すらりとした華奢な身体に、水色のザックを背負われていた。

   朝に常念小屋を出てから、どこで最初に会ったのか憶えていないけれど、
   休憩したり写真を撮ったりしているうちにペースが重なり、
   ルート上で抜いたり抜かれたりしながら、何度もその女性に会った。

   ひとりで旅をしていれば、見ず知らずの人と話すことが多いが、
   山でもまた、そこで出会う自分と同じような登山者に対して、
   独特の連帯感と好意を抱いてしまう。

   山小屋に着くころには、いろんな話をしていた。








   その方に伺った話・・・・


   40年ぶりの北アルプス。
   燕岳から蝶ヶ岳に至る、3泊4日の常念山脈の縦走。

   
   40年前、病気を患い身体が弱く、もう生きてゆくことが辛かった。
   投げやりな気持ちが芽生え不安も多いなかで、そうだ、山に登ろうと思い立った。
   登山経験は全くないけれど、半ばやけもあっていきなり槍ヶ岳を目指すことにした。

   親友のお兄さんが登山をする人で、その人に頼んで連れて行ってもらい、
   非常にこわい思いをしながらも、それでも夢中で登り切ったそうだ。

   その後、関西の低山に登るようになり、
   やがて比良山系で、いまのご主人に初めて出会う。

   ご結婚されてからはご主人が好きな南アルプス方面に行くことが多く、
   それ以来北アルプスに来ることはなかったそうだけれど、
   いま40年ぶりにこうして、あの槍ヶ岳を眺めている。


   かつての記憶を辿っているのか、その遠くを見つめるような槍へのまなざしに、
   いったい何を思い出されているのだろうかと思った。
   この40年間、どんな人生を送られてきたのだろうか?

   その人当たりのよい物腰のやわらかさからは、
   幸せだったと思っているんだろうなぁという印象を直感的に受けたが、
   ただ槍をじっと見つめるその姿に、誰にだって大変なことはあるのかなぁとも思った。





   幸せを感じながら振り返ることのできる人生があるのはいいものだと、
   最近感じるようになった。
   
   俺は、自分の内にある問いや、あるいは飢えや渇きのようなものに向き合い、
   なるべく正直にそれを追い求めてきただけなのだけれど、
   それは、煉瓦が順番に積み重なってゆくようにして、俺の人生を成している。

   このさき10年、20年と、
   俺は何を追い求め、いったいどこに辿り着くのだろうか。

   ただただ、あぁ俺は人生を生き尽くしたぞ!と思えるほど、
   情熱のままに駆け抜けたい。
   今ここにあるよりもさらに深い充足感で人生を振り返られるように、   
   やがて来る死を感じながら、いかに生きるかだけを見つめていたい。   




   蝶ヶ岳ヒュッテに着いて、一緒に槍ヶ岳に振り返った。   

   ご近所の奥様方たちからはいろいろとサークルに誘われたりもするが、
   徐々にハードな山行はできなくなるだろうから、
   身体が動く今のうちに、もっともっと山に登っておきたいそうだ。

   年齢を重ねられたからなのか、それとも元来の人格によるものなのか、
   この方もまた、死を感じつつなにかを選び取るようにして、
   限られた時間を生きているのだなぁと思った。


   どうも俺は、自分よりも年配の方のほうが話をするのが楽しい。
   これもまた、偶然の紡ぎだす、我が人生の一期一会。







  IMG_2295.JPG









           (注) 掲載したすべての写真および文章の著作権は、
               私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。











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Last updated  2008.10.06 01:44:32
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