アイデンティティ
俺は、人間であり、 俺は、哺乳類であり、 俺は、生命体であり、 俺は、物質である。 脳だって、タンパク質でしかない。 脳細胞150億個のニューロンやシナプスといった物質の組み合わせこそが 記憶の実体 であるし、 末梢神経から発せられた脳内を流れる微弱な電気信号こそが、 触覚や視覚といった 五感の本質 である。 いま俺の体を構成している分子や原子たちは、 かつては山や雲の一部だったかもしれない。 いつかは花や鳥の一部となるかもしれない。 「 生命の生と死 」 という現象 は、我々の主観的な区別でしかなくて、 生も死も宇宙にとっては、 物質の循環する 「 生成と崩壊の過程 」 でしかない。 (肉体という) 物質は、大自然・宇宙の一部であり、 永遠のように繰り返される循環のなかで、 一時的に俺という存在をかたち作っているだけ。 つまり、循環する物質世界のなかで 俺にとっての 「 人生 」 とは、 この知覚や意識や感情といった 「 心 」 に映るものの総和だけである。 俺を形作った物質はずっと宇宙に存在し続けたとしても、 俺の人生は 「 この世 」 限り! だから俺は、俺が俺であるうちに、 死が訪れるまでの、認知し意識できる生命であるうちに、 ただ、自分の「生」を享受するだけなのだ。 命を得、手にした時間で、俺はいったい何をしよう? 太陽の陽射し・・・ 風の匂い・・・ 多彩な表情を見せる大自然・・・・ 悠久を進化してきた生命種たち・・・・ そして、人類の文明と文化・・・・ 俺をわくわくさせるこの地球が見たい! 俺の宿ったこの惑星を味わい尽くしたい! 限りある自らの時を、「 地球 」 を楽しむことに注ごう! 「 地球が見たい! - it's my life - 」