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カテゴリ:旅行
夜中からの雨。降れば土砂降りとはまさしくこのことで、バケツをひっくり返したような激しい雨の音が夜の間中続いていた。朝、昨日と同じく、水上テラスでパンと水の朝食。 雨の勢いが弱まってきたので、午前中、小雨の中を散歩。相棒が、ちょうどいい天気だから自転車に乗りたい、と言うので、村の商店街にある貸し自転車屋の店先を覗く。自転車は、いずれも、古くてボロボロになったマウンテンバイク。相棒の乗れる特大サイズのものは一台しかなく、点検してみると、ギアとブレーキに問題が。しかしお店のおにいさんはメンテナンスの仕方をあまりよく知らないようで、知ったかぶりの相棒が口をはさみながらの修理となった。レンタル料金は一時間につき1ドル。この破格では大して文句も言えまい。 それにしてもボカス・デル・トロの人は非常に楽観的である。自転車で遠乗りしたいが途中で問題 (=パンクなど) が起きたらどうしよう、と言うと相棒に、 「問題? ノープロブレム! 問題なんてありませーん!」 と言い切る。この自信、私も見習いたいものだと思った。相棒はさっそく見習ったと見えて、廃車寸前といった風貌のマウンテンバイクを駆ってどこかに去っていった。 それから私は散歩がてらホテルに戻った。相変わらずの小雨に遠出する気は起きなかったが、せっかくだからと少し遠回りして帰った。ダウンタウンの商店街を外れたところには、がらんとした倉庫風の食料品店や、昔懐かしい塩ビのお人形を売る出店があった。同じ並びには消防署もあった。 ピカピカに磨き上げられた消防車 そこには思わず見とれてしまうような、スーパーカーのような消防車があった。赤くて四角い箱、というのが一般的な消防車のイメージだが、その消防署に停まっているのは、ディズニーランドのエンポーリアムを走っているような格好いいオープンカーだった。車輪のリムは木でできていて、車体にはホースを収納するスペースがない。加えて座席は二人乗りときている。効率の悪そうなことこのうえない。そんなことを考えながら私が車を眺めていると、消防隊員らしき男性が出てきて、かっこいいだろう? 座席に座ってみてもいいよ! と言ってくれた。 散歩の後、水上テラスのハンモックでウトウト。雨が勢いよく海を叩く音が聞こえる。相棒の奴、今頃、泥除けなしの自転車で大変なことになっているだろうな。ヒヒヒ。 そうして3時間ばかりハンモックに揺られているところへ相棒が帰ってきた。案の定、ずぶ濡れのドロドロ。しかしなんだかうれしそうな顔をしてやがる。チェッ。相棒は、うれしそうな顔をしたまま、目の前の海にドボーンと飛び込むと、汚れた服を洗いがてら、沖に泳いでいった。 それから、雨も上がったので相棒といっしょに昼ごはんを食べにでかけた。同じホテルに泊まっているアメリカ人の素敵な男の子たちが教えてくれた地元の人たちで賑わうレストランで、店構えが地味なため、散歩しても見落としていたレストランだった。店に入ると、まず、セルフサービスの食堂にはよくあるタイプのショーケースが目に入り、私は、手前のケースに並べられた素朴なケーキたちにまず心奪われたのだが、その前に食事をと思い、中華風の焼きそばとチキンを注文した。 焼きそばはどうやらパナマの国民食であるらしい。あちこちの食堂でお目にかかることができるのが、麺食いの私にはありがたい。チキンもカリブ海とくればお決まりの一品なので、鶏食いの私にはこれまたありがたい。今日の焼きそばは、やや柔らかすぎたが、味付けが薄めで脂っこくないのが私好みだった。チキンは煮込みすぎてクズクズになっていたが、かつて賄いをよく作ってくれていたパキスタン人元同僚の味を彷彿とさせるもので悪くはなかった。これに、素朴なスポンジケーキ数点を加えても3ドルしないという値段もまたよかった。相棒にとって。 夕方、また雨が降ってきたのでベッドで昼寝。夜、雨が上がったので近くを散歩。どこかの家の庭先に無造作に置いてある舟を、相棒がめちゃめちゃうらやましがる。一本の木をくりぬいて作った舟だからうらやましいんだそうだ。 散歩の帰り際、また昼と同じ食堂でまた昼と同じ焼きそばを食す。それからスーパーで一袋5セントのミニミニスナック菓子を買って帰る。相棒との一日にしては飢えなかった一日だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 31, 2004 06:44:14 AM
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