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2010年09月10日
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# 1197

【 前回のおはなし 】

他の2匹がいなくなり、公園でひとりぼっちになったくつしたを家に連れてくるかどうか

決断の猶予がなくなりました。しかし私はすぐには覚悟できず・・・





 翌日、2004年9月12日、日曜日。

かねてから予定していた映画を まると見に行きました。
くつしたをどうするか、夜の数時間では結論が出せるわけもなく 気持ちを急かさないよう自分を落ち着かせながら、なるべく日常の雑事の中でくつしたのことを判断したいと思いました。


昼近くに起きて、車で出かけました。
ショッピングセンターの中にある点心の店で遅めの昼食をとり、そのままショッピングセンターと繋がる建物へ入り、キャラメルポップコーンの甘い匂い漂うシネマコンプレックスの映画館で手に汗握るようなハラハラドキドキの映画を見ました。

映画を見ている最中は 完全にその世界に浸り、氷の溶けかけたコーラをときどき静かに吸うこと以外は 現実の何もかもが自分の中から消えているようでした。。



物語が結末を迎え、エンドロールが終わりかけたとき
頭に浮かんだのは、くつしたのことでした。


まるも多分そうだったのですが、お互いそのことには触れず おもしろかったと映画の感想を言いました。館内が明るくなり、ざわざわと人が出口へ向かうのに付いて廊下へ出ました。
非日常の世界から一歩一歩現実へと近付き、正面の大きな窓を見ると外はもう日が暮れて真っ暗でした。




 くつした、待ってるな・・・。

ふとそう思い、急に気持ちが焦りました。
でもまだ慌てるなと自分に言い聞かせ、「このあとどうする?」と話しながら自然と足はショッピングセンターに戻る通路へ向かいました。
ショッピングセンターで何を見るともなしにうろうろしながら私は頭の中で必死に決断する答えを探しました。すでに思案の幅は くつしたを迎えるかどうかではなく、迎えるに当たってその覚悟が出来るか、というものになっていました。


  部屋の中をぐちゃぐちゃにされたらどうする?
  ま・・・、それぐらいのこと。

  トイレじゃないところでおしっこされたら?
  まぁ・・・掃除すればいいだけのこと・・・かな。

  ネコがいることバレたらどうしよう。
  バレないように・・・頑張ろう。

  あんな小さな猫だけど、本性は凶暴な獣だったりして
  夜中に豹変して襲ってきたら?
  ・・・そんなことあるわけないか。


思いつく限りの状況や出来事を、くつしたとの生活で想像してみました。
自信が持てることは あまりありませんでした。でも覚悟しようと思えば できることばかりでした。


私はふと、いい案を思いつきました。
私にも、そしてくつしたにも負担の少ない生活の方法だと思えるものを。

私は急に気持ちが軽くなり、歩きながら 「うん・・・!」 と決断の合図を口に出してみました。
「何が?」まるが聞きましたが、もう一度 「うん」 と自分に確かめるように頷いて、自分なりのプランを話しました。

+ + +

平日の朝から晩まで、仕事に出かけるまると私は家を空ける。
その間くつしたには、これまで通り公園で過ごしてもらえばいいんじゃないか。

今まで自由に外を走り回っていたくつしたも、急に狭い誰もいない部屋に閉じ込められたらストレスになるだろうし、留守中に大きな声で鳴かれたとしても対処のしようがない。それで近所に気付かれでもしたら、たちまちその生活が破綻してしまいそう。それはなるべく避けなければ。

とりあえず朝 出かける前にくつしたを公園へ連れて行き、そして夜 帰ってきたらくつしたを迎えに行く。夜だけゆっくり安心して食事と睡眠をとってもらう。

+ + +

そういう半分半分な生活をとりあえず始めてみようと提案しました。
それがうまく行くかどうか分かりませんでしたが、とりあえずそうしてみるのが最良だと そのときは思えました。

まるは それでいいと納得してくれました。
きっと、もっと思うことはあったのかも知れませんが、最初からきっちりと決めてしまっては 私が長続きしないと思って私の意見を優先してくれました。


とりあえず、そうと決まったら、

 「何が必要かな。」

と、くつしたを迎え入れるための物を買いに行きました。

台所用品のコーナーで手ごろな大きさの洗い桶を選び、それをくつしたのトイレとすることにしました。トイレ用の砂は、片付けの手間やゴミが出ないということで木くずを固めた水に流せるタイプを選びました。これまでずっと外にいたくつしたをそのまま部屋に上げるのは少し抵抗があったので、ペット用のボディタオルという 濡れティッシュの大判タイプみたいなものも買いました。

必要最低限のものだけ買うと、今さらながら

 「急いで帰ろう、くつしたが待ってる!」

と車に乗り込みました。



  



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* この話の登場人物 *



くつした

公園にいた3匹の
子猫兄弟のうちの1匹






グレーの尾長「しっぽ」
真っ黒「クロちゃん」
足先だけ白「くつした」





大人その1
人間のオス

○○さん
仮に「まる」とする




大人その2
人間のメス

私(me)
仮に「みー」とする




すんごい今さらになったけど
やっと、つづき書きました。

「次のはー?」と、ときどき
リクエストしてくれた人、
大変おまたせしました。





9/10 00838
First updated 2010年09月10日 17時36分32秒





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Last updated  2010年09月14日 04時26分26秒
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さくらもち市長

さくらもち市長

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くーちゃんが生まれ変わって帰ってきたときのこと



「3ヶ月すっとばして、ご報告。」


 


「会ってからと、初日」






生まれ変わりを待つ日々


 
「二日で終わったペットロス」





くつしたの体の寿命が突然きた


「夏のこと(ご報告)」

 
 
 
  
** もう少しくわしい版 **
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