カテゴリ:ミステリー
本日ご紹介するミステリーは、三津田信三さんの「
厭魅の如き憑くもの」です。 ●あらすじ 戦後の日本に山奥の村に憑き物落としをする一族がいた。その一族の一員である紗霧は幼いころに双子の姉の小霧を亡くし、体の弱い母の替わりに憑座としての役目を果たしていた。怪奇小説家である刀城言耶はそのに向かった。 ●簡単な感想 憑き物落としの家がメインなので、ただならぬ気配だとか異様な雰囲気だとかがあります。謎はすべて完璧に解き明かされることを望むというタイプの方には合わないかと思います。 民間伝承的なうんちくがそれなりにあるので、そういった話が苦手な方にもお勧めできないです。 文章は少々くどいように思いますが、比較的読みやすかったです。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 謎解きの場面で、間違った回答を次々に上げていく刀城さんが良くわかりませんでした。Aさんが犯人で謎を解いてみたら行き詰ったので、次はBさんで謎解きをした、という感じでもないですし、それくらいならもうちょっと詰めてから話せばよかったと思いますし(もっと少人数のつもりだったとはいえ、少人数だからいい加減で良いわけでもないですし)。悪戯に期待をさせて失望させる意味が分かりませんでした。茶番と言われるのももっともです。 人をからかって遊びたい性格の悪い探偵であるなら別にいいのですが、普通にいい人として書かれているので良くわからないです。作者としては、解決段階で回答を何度もひっくり返すことで読者を楽しませたいのだろうとは思うのですが、そのために探偵の性格が矛盾するのはいただけないです。そこを重視するのなら探偵をいい人にするべきではないと思いますし、まだ回答に迷っている段階で無理やり発表させられるとか、何等かの納得できる説明があれば良かったです。 実はカカシ様視点でした等の種明かしは微妙でした。横顔が見えた等の場所からするとありえない描写があったことによる伏線も、建物の構造をきちんと頭の中で展開させて、この人物がここにいるから云々と考える人なら納得なものだろうと思いますが、そういうことをしないので、特に感慨もないというか。 以上です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.12.27 22:10:02
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