カテゴリ:ミステリー
本日ご紹介するミステリーは、赤川次郎さんの「ネガティブ」です。
●あらすじ 売れっ子小説家の角田博紀は、妻の僚子を相手にゲームをしかけた。僚子に男性を近づけさせ、彼女がどう変わっていくかを観察し、小説にしようとしていた。僚子を誘惑するはずの黒木はなぜだか現実感の乏しさがあった。 ●簡単な感想 赤川さんの作品にしては珍しいタイトルだったので借りてみました。思っていた意味とは違う意味でしたが、なかなか面白かったです。 前半は大人のためのお伽噺のような、既婚女性を誘惑しようとした若い男性が女性に本気になってしまうというような話ですが、しだいにそこからずれていきます。 赤川さんの作品ではおなじみの若い女性が登場しますが、今回の主役は母親なのでそれほど目立つ役どころではない、かと思ったらそうでもなかったです。 現実的な話ではないので、整合性のあるミステリーを読まれたい方には向かないかもしれません。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 小説の登場人物が現実に現れる、という話は面白かったですが、どこで何を間違えて僚子が殺し屋まがいになったのかとか、小説内の角田さんはどうして娘をターゲットに変更したのかとか、書き手が変わったせいとはいえ、あれだけ僚子に執着していた黒木さんがいきなり娘に惚れるのは無理がありすぎるとか、思うところもありましたが、その分、先が読めなくて楽しめました。黒木さんになびかない僚子さんが良かったので、できればそのままで進んでもらいたかったですが。 生き残った角田さんと僚子が元の二人かどうかはわかりませんが、とりあえずそれなりに仲良く暮らしていけそうですし、どちらでも良さそうです。 以上です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.12.25 21:28:32
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